【西部の目】ハリルJ、7-2の試合で見えた収穫と課題。主力抜きでの破壊力と“20年遅れ”の守備戦術

3日、日本代表はキリンカップ準決勝でブルガリアと対戦し、7-2という大味なスコアで勝利。崩しの部分でのレベルの高さを示すいっぽうで、守備での問題点も浮き彫りになった。最終予選を前に見えた、ハリルジャパンの収穫と課題を紐解く。(文:西部謙司)

2016年06月04日(Sat)12時21分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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コンパクトなだけだった守備

ハリルホジッチ監督
ブルガリアに快勝したハリルジャパン【写真:Getty Images】

 ディフェンスラインを高くキープし、全体をコンパクトにして守る。ハリルホジッチ監督の考え方がチームに浸透してきた。大量7得点で収穫の多い試合だったが、実はネガティブなところもある。まずはそちらから触れてみたい。

 ブルガリア戦での日本の守備戦術は20年近く遅れている。

 ハイラインをキープしたままのコンパクトな守備は、2002年ワールドカップでの日本がそうだった。当時のトルシエ監督の守備戦術は3バックだったので「フラット3」として有名になった。ただ、当時でも4~5年は遅れていた。すでにディフェンスラインを適宜にペナルティーエリアの外まで下げて深いブロックを作るほうが主流になっていたのだ。

 ブルガリア戦の日本がコンパクトな守備を行ったのは確かだが、「コンパクトなだけ」だったともいえる。ボールを持っている相手に対してプレッシャーがかかっているなど、ONの状態にラインを上げるのは当然だが、OFFのときにもキープしようとするので、簡単に裏をとられるケースが何度かあった。

 また、前からプレスするときにも奪いきれず、かえって中盤のスペースが空いて危なっかしい場面もしばしば。前がかりにハメていく守備、後方へ引き込む守備、そのどちらも出来上がっておらず、状況と無関係にハイラインで守っていた。

 もちろん、ハリルホジッチ監督はこのままで良いとは考えていないはずだ。基本形として中盤でブロックを作る守備を定着させている段階なのだろう。今後は敵陣でのプレスと、自陣に引き込んでの守備を足していくと思う。

このままの状態ではワールドカップではまず通用しないし、アジア最終予選でも相手によっては厳しい。だから必ず次の段階に移行させるとは思う。ただ、現時点でこの状態なので、予選の最初には間に合わないかもしれない。

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