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鹿島の“8番”・土居聖真。役割とともに引き継がれる背番号。紡がれる常勝の伝統

2016年06月29日(水)11時31分配信

text by 藤江直人 photo Shinya Tanaka, Getty Images
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心身の状態が上向かなかったシーズン序盤

 ガンバ大阪との開幕戦はベンチ外、サガン鳥栖との第2節はリザーブのままで、ともに1-0のスコアで連勝スタートを飾ったチームに絡めなかった。

 FC東京との第3節からは3試合連続で途中出場。サンフレッチェ広島戦、湘南ベルマーレ戦で連続ゴールをマークし、上昇気流に転じるかと思われたが、第10節のアルビレックス新潟戦から4試合連続でベンチスタートに甘んじている。

 心身の状態がなかなか上向かなった理由を、誰よりも土居自身が理解していた。

「昨年けがをしてようやく治ったと思ったら、キャンプでまた違うところを痛めてしまった。サッカーができないところでストレスを感じていましたし、開幕戦もメンバーに入れなかったように、コンディションも完全ではないところから始まっていたので」

 背番号を「28」から「8」へと変えた昨シーズン。トップ下を主戦場として描かれてきた順風満帆な軌跡が急停止を強いられたのは、10月3日のヴィッセル戦だった。

 GK徳重健太と交錯した際に左足を踏まれ、後半開始早々に負傷交代を強いられた土居は、試合後の精密検査で左足第2中足骨の骨折を言い渡される。

 全治は約3ヶ月。セカンドステージの残り4試合を棒に振った土居は、アントラーズが3シーズンぶりとなるタイトルを手にしたナビスコカップ決勝の舞台にも立てなかった。

 好事魔多し、とばかりにアクシデントの連鎖に襲われる。左足の骨折が完治した矢先の2月の宮崎キャンプで、今度は右ひざのじん帯を痛めて再び戦列を離れてしまう。

 ニューイヤーカップを含めて、5試合が組まれていたプレシーズンマッチをすべて欠場。ベガルタ仙台とのファーストステージ第3節で161日ぶりに復帰を果たしたものの、ゴールに絡む仕事を演じられないまま、チームも0-1で敗れてしまった。

 イメージとほど遠いプレー。思うように動かない体。何よりもチームに貢献できない。リズムがかみ合わず、歯がゆさだけを募らせた日々が後にプラスになったと土居は振り返る。

「それでも、サッカーがやりたいと強く思えたところがよかったのかなと。けがが治ってもなかなかコンディションを上がらなかったし、思い通りのプレーができていないときは悔しかった。自分自身にいら立ちも感じましたけど、そういったときもふてくされるのではなくて、純粋にサッカーへぶつけられた。

 けがをしたのは、自分自身の問題だったので。けがで長期間離脱するのは自分のサッカー人生で初めてだったので、それがすごくいい経験になったというか。けがをするのはいいことではないですけど、僕にとっては自分を変えるできごとだった。いまとなってはそう思えます」

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