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Jリーグ 8年前

G大阪、中盤の配置転換で脱「宇佐美ロス」へ。トップ下・遠藤、ボランチ・倉田が放つ輝き

text by 藤江直人 photo by Getty Images

確信に変わりつつある指揮官の手応え

ガンバ大阪の長谷川健太監督
ガンバ大阪の長谷川健太監督【写真:Getty Images】

 武者修行時代に培ったハードワークを存分に発揮。同時にボールを巧みにさばき、あるいは力強く前へ運ぶプレーでガンバの中盤に新風を吹き込んだ倉田が「宇佐美ロス」を吹き飛ばせば、これまでは守備に費やしていたパワーを攻撃に生かし、正確無比なキックで2ゴールをアシストした遠藤も続く。

「1試合だけで判断するのは早いと思いますけど、いい感じで攻撃ができていたし、もう少し自分たちがボールをもつ時間を長くすればさらにベターかなと。カウンターでもボールをキープしながらでも、相手ゴールへ勢いをもって攻めていく攻撃ができれば、どんな相手に対してもチャンスは生まれてくると思うので」

 新布陣のもとでサンフレッチェに3-1で快勝した一戦を境に、長谷川監督は「経験を積ませてガンバの武器にしていきたい」と、ボランチ・倉田をキーマンに設定していた。

 あれから1ヶ月半。敵地でアントラーズを撃破したことで、指揮官の手応えは確信に変わりつつある。

「シュウ(倉田)のボランチが様になってきたし、ヤット(遠藤)をトップ下にしたことで、だいぶゲームをコントロールできるようにもなってきた。ヤットは相手が嫌がるところでボールを受けるし、ゴール前に入っていく一方で、危ないと思えばちょっとポジションをさげてくる。常に頭を使いながら、彼らしい動きをしてくれるようになったことはチームにとっても大きい」

 いまだにアデミウソンが完全にフィットせず、無得点のパトリックが自信を失いかけているという課題も残ってはいる。それでも、宇佐美を欠いた戦い方に方向性を見出したガンバは、アントラーズ戦で得た勢いを自信に変えるために、ホームにベガルタ仙台を迎える9日の第2節で必勝を期す。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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