Jリーグでは主流も、日本代表ではなじみの薄い4-4-2。基礎的なアイデアを持ち込んだオフト【西部の4-4-2戦術アナライズ】

2016年07月20日(Wed)11時29分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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はっきりとした守備をするための3バック

 木村の選外と3-5-2の導入は同じ文脈上にある。攻撃の最重要プレーヤーだった木村を外したのは、木村自身のコンディショニングの失敗によるものだ。しかし、攻撃の核を外したことでチーム全体が守備型へ変化していく。

「ことさら守備的にやったつもりはなかったが、相手に主導権を握られる展開が予想されたので、しっかり守備をしたうえでカウンターを狙う戦い方を考えた」

 石井氏は当時を振り返ってそう話していた。それは、「日本より個人技が下というチームがほとんどない」と認識していたからだ。

「日本よりも明確に個人技が下なのはカンボジア、ネパール、マカオぐらい」(石井氏)

 現在の感覚からすると信じられないかもしれないがそんなものだったのだ。アジアでの戦いでも相手にボールを握られる展開が予想される。まず守備固めは現実的な戦術だった。この時期は2トップが主流になっていて、対する守り方はゾーンの4バックかマンツーマンの3バックか。石井監督は「そのほうがはっきりする」という理由で3バックを採用している。五輪予選で中国と対戦するまで、インドネシア、タイ、ネパール、インドネシアとの8試合で7勝1分け、得点23、失点わずか1点のみ。守備は鉄壁といっていい。

 五輪出場をかけた中国との決戦は、アウェイゲームの1週間後にホームという予定だった。「アウェイで引き分ければ中国は内部分裂する」と石井監督は考えていた。日本はアウェーで1-0勝利、しかし第2戦は3週間後に延期されてしまう。1週間後では国立競技場 の使用ができず、収益性の問題から他会場案も見送られた。日本はホームで0-2と敗れ、石井監督は辞任した。

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