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日本代表 8年前

豪州戦キーマンの原口元気と山口蛍。“ロンドン世代”に訪れた代表の主軸奪う千載一遇の好機

text by 元川悦子 photo by Getty Images

既に切り替えている山口。デュエルのキーマンに

山口蛍
山口蛍【写真:Getty Images】

 山口蛍は、今回は長谷部誠(フランクフルト)とともにボランチで頭からピッチに立つ見通しだ。3日前の歴史的ゴールのことは完全に頭から消し去ったうえで、今の彼は大一番に神経をとがらせている。

「(ゴールの)反響はそれなりにですけど、あの時だけなんで。余韻にずっと浸っていても仕方ないんで、切り替えていますけど。次の試合で監督が誰をチョイスするか分かんない状況だし、自分が出れば全力を出すだけ。相手がどこでも自分の持ち味は活きると思う。どんな試合も変わらないスタンスで挑み続けたいです」と普段通りの淡々とした口ぶりで、山口は大一番への意欲をにじませた。

 2013年8月の東アジアカップ(韓国)から日本代表入りしている彼にとって、オーストラリアとの対峙は初となるが、この男の武器である対人プレーの強さ、ボール奪取力は日本が中盤を制するうえで必要不可欠だ。

 本人は「速く行くチャンスがあればいいと思いますけど、そうじゃない場合には自分たちでしっかりつないでもいい。そこで急いでボール失ってしまうと相手ボールになって守備から始まるって悪循環になるから。全員の意思統一の下、使い分けて行けたらいいのかなと思います」と本田圭佑(ミラン)や清武弘嗣(セビージャ)らの意見に賛同し、臨機応変な戦い方を心がけていくという。

 とはいえ、彼がデュエルの部分で相手に勝ち、しっかりとボールを奪わなければ、柔軟性のある攻めや戦い方は見せられない。山口蛍のボール奪取力が日本の攻めの出発点になると言ってもいいくらい、彼には重責が課せられるのだ。

 このように、原口はゴール、山口は攻めの起点となるボール奪取という明確な役割を次戦では担うことになる。その重要なタスクを完璧にこなし、日本を勝利へと導いた時、2人は揃って代表での絶対的中心選手の仲間入りを果たすことができる。この千載一遇の好機を逃す手はない。

(取材・文:元川悦子【メルボルン】)

【了】

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