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日本代表 8年前

ハリル流への不安と危険性。選手は困惑と反省、指揮官との意識にズレ。なぜ問題なのか?

text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

本田ら反省「『支配された』に変わった」。アジアで主導権握られる危険性

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本田圭佑【写真:田中伸弥】

 ところが、彼とボランチを組んだ山口蛍(C大阪)は「結構、簡単にクリアを蹴ったりしていた。繋いでもいいのかなと思うところでもクリアしていた。相手が前から来るから危ないと思ったらクリアでもいいと言われていたから、戦い方としては仕方なかったと思いますけど」と、指揮官の意図に理解は示しつつも要所要所でボール保持できなかった反省を口にしていた。

 前線で起点になりきれずに体力を奪われ、途中交代した1トップ・本田も「前半は『支配させる』って感覚でいたけど、後半は『支配される』に変わった。支配させるゲームプランのまま2点目を狙いにいけたんであればもう少し評価できたけど、後半は反省の方が多かった」とズバリ問題点を指摘。不完全燃焼感を抱えた選手がおり、反省点が多かったことは事実だ。

 ハリルホジッチ監督にしてみれば、B組最強チームから敵地で勝ち点1を得られれば御の字だった。終盤に原口に代えて丸山祐市(FC東京)を投入した采配には、その意向が色濃く表れていたし、選手たちも指揮官の考えを理解していた。

 ただ、相手がW杯で対峙する強豪国ならともかく、今回の敵は同じアジア勢。そこで70%近くポゼッションされ、主導権を握られれば、「日本は決して強くない」という印象をアジア中に与える結果となり、日本へのリスペクトが薄れてしまいかねない。

 実際、6日にホームで戦ったイラクも堂々と立ち向かってきた。この試合後、本田が「僕らを必要以上にリスペクトしていないっていうのは腹立たしいことで、本当はこっち側がうざいぐらいに回して、向こうがうざいって思うぐらいに回さないといけない」と語気を強めたのも、アジア勢からより一層、軽視されるという強い危惧があるからだ。

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