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本田圭佑 8年前

ミラン、3位浮上の実力は本物か? 知られざるフロントの功績とモンテッラ監督の緻密なマネジメント術

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

平均年齢はリーグ最年少。陰ながら再整備されていた育成部門とスカウト

ロカテッリ
中盤でレギュラーポジション確保の期待が高まる18歳のマヌエル・ロカテッリ【写真:Getty Images】

 活躍しているのは出戻り組ばかりではない。昨季からいた若手もそれぞれ急成長している。身体能力と技術は高い評価を得ながら、交通事故の影響もあって戦列を離れていたエムバイエ・ニアンは、ドリブル突破にゴールにと大車輪の活躍。

 最終ラインで不可欠の戦力となっている21歳のアレッシオ・ロマニョーリは、パレッタとのコンビで安定感をつけている。先日はイタリア代表としてロシアW杯予選に参戦し、出場停止並びに故障で代表を離れたジョルジョ・キエッリーニの穴を堂々としたプレーで埋めていた。

 さらに下部組織からは、GKジャンルイジ・ドンナルンマに続いて主力の座を奪う選手も現れた。19歳のダビデ・カラブリアは積極的な上下動でアピールし、一時期はイニャツィオ・アバーテやルカ・アントネッリを押しのけてスタメン出場を重ねた(現在は故障で戦線離脱中)。

 そして人材難が叫ばれた中盤には、18歳のマヌエル・ロカテッリが台頭をし始めた。U-19イタリア代表の主軸としてU-19欧州選手権準優勝をもたらした若きレジスタは、シーズン序盤から少しずつ出場機会を得て、途中出場から中盤のポゼッションを安定させる役割として立場を確立。

 そして7節のサッスオーロ戦では芸術的なミドルシュートで3-3の同点ゴールを決めた。キエーボ戦ではついに、右膝前十字靭帯断裂で戦列を離れたモントリーボの穴埋め役として中盤に底でフル出場。ドンナルンマよろしく、このまま定着を続けそうな勢いである。

 この数年、ミランは陰ながら育成部門とスカウトの再整備に力を入れていた。プリマベーラなどではインテルやラツィオ、ローマなどの方が目立った成績を挙げていたが、結果をすぐに求めない方針で選手を育てていたのだという。この結果、現在のミランはセリエAで最も平均年齢の低いメンバーを送り込めるチームになった。

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