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日本代表 7年前

適任だったアギーレ。「自分たちのサッカー」からの軌道修正。“代表らしい”チーム作り【西部の4-4-2戦術アナライズ】

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ text by 西部謙司 photo by Getty Images

長期的だが断続的な代表の活動

メキシコ代表での経験が豊富だったアギーレ氏
メキシコ代表での経験が豊富だったアギーレ氏【写真:Getty Images】

 一方、代表チームには時間がない。監督の在任期間を4年と考えると長期なのだが、その間に活動できる日数はかなり限られている。しかも断続的。そのため、あまりチームを作り込みすぎてしまうのは危険なのだ。

 主力選手が起用できない事態になっても代役はいくらでもいるが、オーダーメイドの服のように出来上がっていると、新しい選手がフィットしにくい。メンバーが代わるとやり直しになりかねないわけだ。それでは継続性がないので、ただでさえ足りない時間の無駄になる。選手層の厚さという代表の特性も生かせない。

 そこで、代表はこういうサッカーをするというアナウンスはしっかりやらなければならない。誰が来ても、代表のプレーをイメージしやすくしておく。ただし、あまりメンバーは固定せず、連係も作り込みすぎない。オーダーメイドではなく、既製服のままでしばらく推移させる。ぴったりしつらえるのは最終段階に間に合えばいい。

 アギーレ監督のスタート段階は、そうした代表らしいものだった。中には、ちょっと難しいのではないかと思える人選もあった。あまり個々の選手を見極める時間もなかったのだろう。左利きのCBがほしいというような、監督側の条件を先行させていた。

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