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日本代表 7年前

ハリルJの方向転換。「日本化」から再び「世界標準化」へ。予選で必要になったW杯仕様【西部の4-4-2戦術アナライズ】

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ text by 西部謙司 photo by Getty Images

「日本化」から再び「世界標準化」へ

ハリルホジッチ監督は、ブラジルW杯でドイツを相手に印象的な戦いを見せたアルジェリア代表を率いていた
ハリルホジッチ監督は、ブラジルW杯でドイツを相手に印象的な戦いを見せたアルジェリア代表を率いていた【写真:Getty Images】

 一方、フォーメーションは一貫して4-2-3-1。ドイツ戦はサイドハーフが引いて6バックに近い形になっていたが基本は4-2-3-1である。これは選手の入れ替わりの多い代表チームの強化においては、フォーメーションをある程度一定にしたほうが選手にとってわかりやすいからだ。

 そのかわり、起用する選手を代えることで戦い方を変化させる。アルジェリアは優勝候補ではなく必ず格上の強豪とも戦わなくてはいけないので、戦術的な幅がどうしても必要になる。しかし、その都度の付け焼き刃では通用しない。変化を可能にするためにもチームの基盤に一貫性をもたせるわけだ。アルジェリアと似た立場の日本にとっては、ほしいタイプの監督といえるかもしれない。

 日本代表でもハリルホジッチ監督は4-2-3-1を使っている。4-4-2系のシステムらしく、「ブロック」をチームのベースに考えている。

 全体をコンパクトにして守備ブロックを形成し、そこで相手の攻撃を止めてカウンターアタックへ移行する。極端に守備的でも攻撃的でもなく、オーソドックスといっていい。「日本化」、「自分たちのサッカー」を指向してきた日本代表は、再び「世界標準」へと方向転換したことになるだろうか。

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