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日本代表 7年前

ハリルJの方向転換。「日本化」から再び「世界標準化」へ。予選で必要になったW杯仕様【西部の4-4-2戦術アナライズ】

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ text by 西部謙司 photo by Getty Images

向き・不向き、両面が同居する戦い方

 ハリルホジッチ監督がチームのベースと考える守備ブロックは、日本に向いているところと向いていない部分がある。ポジショニングと連動性については向いている。それは2010年南アフリカW杯、2012年ロンドン五輪をみてもそうで、短期間に形を整えるのは得意な分野かもしれない。

 半面、守備ブロック自体の強度は見た目ほど高くない。ハリルホジッチ監督が就任以来強調している「デュエル」は日本の課題である。肉体的に頑健なフランスのクラブチーム、アフリカの代表チームを歴任してきた監督からみれば、かなり頼りなくみえるだろう。ただ、足りないからといって妥協はできない。守備ブロックの強度はチームの命綱なので、これを手放すわけにはいかないからだ。

 守備で戦えて、攻撃でも高度な技術を発揮できる選手が揃っているのが理想だが、残念ながら日本代表にそんな選手は限られている。ハリルホジッチ監督は「ブロックがベース」と言いながら、強度最優先の選考はしてこなかった。

 まずはアジア予選を突破しなければならない。アジア予選で守備的な戦いを強いられる試合はほとんどない。ブロック強化を最優先にするとかえって攻撃力が減退してしまうと考えたのだろう。

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