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日本代表 7年前

ハリルJの方向転換。「日本化」から再び「世界標準化」へ。予選で必要になったW杯仕様【西部の4-4-2戦術アナライズ】

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ text by 西部謙司 photo by Getty Images

縮まった他国との差。予選段階で守備重視も必要に

ロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦では、慎重な戦い方を見せた日本代表
ロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦では、慎重な戦い方を見せた日本代表【写真:田中伸弥】

 ところが、今回の予選で日本と他国との差はかなり縮まってしまっていた。圧倒的な攻撃力でねじ伏せてきた過去の予選のようにはいかず、相手の長所を潰しながらの慎重な戦い方が求められている。10月にメルボルンで行われたオーストラリア戦では、かなり守備的な戦い方をして1-1で引き分けた。

 ワールドカップ本大会で使うはずの戦法が、すでに予選段階で必要になっていた。あれほど守備を重視した戦い方は、今予選であと1回あるかないだろう。ただ、皮肉なことに予選と本大会で戦い方を大きく変えなくてもよい状況になっているので、チーム作りは少し容易になったかもしれない。

 ブロック強化を急ぐ必要が出てきたせいか人選が少し変わってきている。例えば、攻撃的なゲームで欠かせないコンダクター役の柏木陽介が招集外になった。

 これまでのアジアとの戦いで、プレーメーカーは重要な役割を果たしてきた。ラモス瑠偉、名波浩、遠藤保仁のようなタイプだ。プレーメーカーなしで相手に引かれたときに崩しきれるかどうか。次の最終予選の試合であるサウジアラビア戦はその意味でも注目される。

(文:西部謙司)

【完】

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