ハリルJの方向転換。「日本化」から再び「世界標準化」へ。予選で必要になったW杯仕様【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコの躍進を受けて、復活の感がある4-4-2システム。ハビエル・アギーレ監督の退任を受けて日本代表を率いることになったヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、4-4-2の変形システムである4-2-3-1システムを採用している。長らく続いていた「日本化」の流れからは舵を切り、アジア予選でも守備重視の戦いを見せるようになってきた。(文:西部謙司)

2016年11月09日(Wed)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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現実主義者のハリルホジッチ

日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】
日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 2015年1月のアジアカップ終了後、日本サッカー協会はハビエル・アギーレ監督を解任した。リーガ・エスパニョーラでの買収疑惑で告発されたためだった。告発段階なので、裁判になるのか、裁判の結果がどうなるのかもまだわかっていなかったが、ワールドカップ予選期間中での不測の事態を回避するために解任を決めた。後任にはブラジルワールドカップでアルジェリアの監督だったヴァイッド・ハリルホジッチを招聘する。

 ハリルホジッチ監督は旧ユーゴスラビア(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の出身だが、指導者としては主にフランスのクラブ(リール、レンヌ、パリ・サンジェルマン)でキャリアを積んでいる。コートジボワール、アルジェリアと代表監督の経験もあり、アルジェリアではブラジルW杯ベスト16進出を成し遂げていた。

 ハリルホジッチ監督はいわばプラグマティストで、対戦相手と状況によって戦い方を変化させる。コートジボワールではディディエ・ドログバを軸とした攻撃型のチームを作ったが、アルジェリアでは北アフリカらしいパスワークに堅守をプラスして手堅い編成だった。

 ブラジルW杯では、緒戦のベルギー戦と次の韓国戦で5人を入れ替え、決勝トーナメント1回戦のドイツ戦でも再び5人を入れ替えた。ベルギー、ドイツには守備を重視し、3ポイントを狙った韓国、ロシア戦はやや攻撃的な編成で臨んでいた。

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