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日本代表 7年前

清武が挑む“香川超え”。ハリルJ新司令塔は“動き回って”サウジを撹乱させる

text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

香川も認める能力。序列を覆す最大のチャンス

 それは、リスタートのキックの精度。

「やはりキヨはキックの精度や、アシストする能力がホントに高いなと。(オマーン戦はそれを)改めて感じる試合だった」と香川も素直に認めていたが、今の日本代表でゴールに直結するプレースキックを蹴れるのは、清武1人かもしれない。

 拮抗した展開になりそうなサウジ戦ではFKやCKからの攻めが勝負を分ける可能性が極めて高い。それを考えても、彼がスタメンでピッチに立つ意味は大きいのだ。

 10月2連戦では、イラク戦でインパクトを残しながら、続くオーストラリア戦で香川に先発の座を譲ることになった清武。前々から「経験や実績では真司君の方が上」と彼は口癖のように言ってきたが、前回シリーズではハリルホジッチ監督のこうした評価をまざまざと突き付けられることになり、悔しさひとしおだったに違いない。

 今回、2試合連続先発を勝ち取り、輝きを放つことができれば、香川との序列がとうとう逆転することになり、日本代表の世代交代に弾みがつくのは間違いない。そういう意味でも、清武の一挙手一投足に代表の未来が懸かっている。

 彼がタクトに振るうであろうサウジ戦は最大のチャンスであり、大きな期待感と重責を背負ってピッチに立つことになる。代表は厳しい場であるべきで、激しいポジション争いと新陳代謝があってチーム力が向上する。

 ハリルJに漂う停滞感を打破できるか――。清武には大きな使命が課せられている。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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