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Jリーグ 7年前

名波ジュビロ、指揮官がMVPに挙げた大井健太郎。古巣復帰初年度、守備の要が示した存在感

text by 青木務 photo by Getty Images

10月の中断期間により、離脱は最小限に

昨シーズンまで所属していたアルビレックス新潟でもキャプテンマークを巻いた大井
昨シーズンまで所属していたアルビレックス新潟でもキャプテンマークを巻いた大井【写真:Getty Images】

 磐田がJ1残留を達成できた要因の一つに、10月に訪れた3週間の中断期間が挙げられる。ロシアW杯アジア最終予選とルヴァンカップ決勝戦により、リーグ戦の日程に空白が生まれた。各チームは終盤戦に向けて調整を行うことができたわけだが、名波ジュビロは最後の最後で御殿場合宿を実施。共同生活による選手間の意思の再統一が図られたが、この期間で大井が練習に完全合流したことも大きかった。

 スタメンに入れば、チームのために全てを出し尽くす男である。指揮を執るのが尊敬する名波監督なら尚更だ。それでも、聞かずにはいられなかった。一度怪我してすぐ復帰したが、再発してしまった。次、復帰するにあたっての恐怖感はないのか――。

「恐怖というか、次、怪我してしまったら本当にシーズンが終わってしまうから、そこはより慎重にならないといけない。でもこの前(神戸戦)もできると思ってやったし、メディカルも自信を持って送り出してくれた。そこは僕の身体が持たなかっただけ。メディカルの言うことをしっかり聞いて、無理はせずにやっていきたい。気持ち的には絶対やるという気持ちだけど、だからといって感情的になりすぎないようにしたい」

 残留を争う名古屋グランパスとの大一番直前に、ディフェンスリーダーは復帰した。中断することなくリーグが進んでいればピッチに立つことはなく、精神的支柱でもある彼がいなければ名古屋戦の結果がどうなっていたかもわからない。

 決して万全の状態ではなかったかもしれないが、豊田スタジアムのピッチで大井は獅子奮迅のパフォーマンスを披露。ここから最終節までチームは大井を欠くことはなく、来シーズンもJ1で戦う権利を掴んでいる。

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