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Jリーグ 7年前

鹿島の永木、28歳で見せる心技体の成長。新天地での苦闘乗り越え、体現された永木らしさ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

心技体が充実する永木。アフリカ勢との対戦へ

鹿島アントラーズ
準々決勝でマメロディと対戦するアントラーズ【写真:Getty Images】

「あのシーンは自分のなかでも、攻撃への意識がより高まってきていた。前半からヤス(遠藤)と(西)大伍君のところで時間を作れていたし、ボランチに下がった(柴崎)岳の展開力もあって、自分も少し前へいけるようになっていたので、バランスが上手く取れるようになっていたというのはありますね。

ヤスが上手くタメを作ってくれたし、ヤスからのボールも、自分のランニングコースもよかった。スカウティングでも(裏へ抜け出せば)守備が疎かになる選手が多いことは分かっていたので。前半から何度か狙っていたんですけど、ああいう形でようやく点を取れたことはよかったですね」

 中央大学からベルマーレに加入し、プロの世界での挑戦を開始したのが2011シーズン。以来、初めて12月の中旬になってもサッカーができている。年代別の代表にも無縁だった永木は充実感を覚えながら、クラブワールドカップで日本国内では味わえない身体能力やスピードと対峙している。

「ようやく鹿島に対して自分のプレーで還元できている、チームのなかでいい駒のひとつになれている、という実感はあります。これまでだったらオフに入っている時期だし、確かにものすごくハードですけど、だからこそ本当に喜びを感じながら、けがだけには気をつけながらプレーできています。

 日本人にはない懐の深さやフィジカルの強さといったものは今日の相手にも感じましたけど、さらにレベルが上がってくれば、もっともっと感じるはずですよね。ボールの奪い方なども変えていかなきゃいけないし、その意味ではすごく楽しみです。鹿島と自分のいいところを出して、次も勝ちたい」

 11日の準々決勝は大阪・市立吹田サッカースタジアムに舞台を移し、アフリカ大陸代表のマメロディ・サンダウンズ(南アフリカ共和国)と対峙する。初めて経験するアフリカ特有のプレーの数々が、名門アントラーズで28歳にして再び心技体を成長させている永木をさらに輝かせる。

(取材・文・藤江直人)

【了】

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