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“CL後遺症”再発のドルト。ケルン城攻城戦に再失敗で後半戦に不安

text by 本田千尋 photo by Getty Images

大迫の正確なパスがケルンの反撃をより鋭くした

大迫勇也
攻守に奮闘した大迫勇也(左)【写真:Getty Images】

 さらにドルトムントは、トップ下に入った大迫を中心とするカウンターに苦しんだ。まずは粘り強い守備がミッションとして課された大迫だったが、攻撃時には正確なパスで反攻の起点となった。Optaジャパンのデータによれば、例えば第12節アウクスブルク戦での大迫のパス成功率は96.2パーセント。同試合でトップの数字だ。ケルンにおいて大迫は優れたパサーでもある。カウンターを仕掛ける際に必要な要素は、何よりパスの正確性だ。

 50分、連動したプレスを掛けられて、カストロからバイグルへのボールを大迫に奪われる。大迫はモデストにスルーパス。抜け出したモデストにGKバイデンフェラーまでかわされて、シュートまで持ち込まれる。ボールは右のネットが防いだ、64分には、モデストの落としを大迫がルドネフスにつなごうとする。66分にはカウンターのチャンスに、左サイドをドリブルで突き進んだ。

 堅守と大迫を中心とするカウンターに苦しんだドルトムント。デンベレの独創性も輝かず、90分にロイスが1点を返してドローに持ち込むのが精一杯だった。試合後にドゥルムは「勝ち点1は無いよりはましだ」と吐き捨てた。ドルトムントは、またも“鬼門”で勝利を挙げることができなかった。そしてケルン戦を引き分けたことで、依然として“CL後遺症”に苦む。12日にはCLの決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われる予定。後半戦も過密日程が続く。このままではCL直後のドルトムントは、他のブンデスリーガのチームにとって“狙い目”となりそうだ。

(取材・文:本田千尋【ケルン】)

【了】

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