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原口・香川・宇佐美は無得点。ブンデス組、合格点は誰か?【前半戦通信簿】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ケガで苦しんだ武藤。香川は競争激化で逆境に

武藤嘉紀 香川真司
武藤嘉紀(左)と香川真司(右)【写真:Getty Images】

 武藤は今季リーグ3試合、欧州リーグ(EL)2試合にしか出ていないが、それぞれ2点、1点とゴールという結果だけはしっかり残している。だが、9月29日のEL・FKガバラ戦での負傷が長引き、年内復帰は叶わなかった。今年1年はケガとの戦いが続き、持てる才能の半分も出し切れなかった印象だ。2017年は安定したプレーのできるフィジカルを維持することが最大のテーマと言える。

 ケガで苦しんだと言えば、香川も同じ。今季はリーグ戦6試合、チャンピオンズリーグ(CL)2試合と出場数が極端に少なかった。ボルシア・ドルトムント自体もマリオ・ゲッツェやアンドレ・シュールレらドイツ代表、あるいはラファエル・ゲレイロ・ウスマン・デンベレら若手の大量加入で攻撃陣の競争が激化。

 負傷続きの香川は逆境に立たされ続けた。2010年夏から合計5シーズン、ドイツでプレーする彼にとって、前半戦無得点というのは今季が初めて。それだけ大苦戦を強いられたのは間違いない。

「1人ひとりもっとできるクオリティがあるのに出せていない。今は個が立ったサッカーに尽きる。もっと連動性が必要になってきますし、守備を含めて課題は沢山ある。自分自身もハッキリ言ってコンディションは最悪。どんなこともポジティブに受け止めて、トレーニングからやり続けていくしかない」

 年内最終戦だった12月20日のアウグスブルクの後、本人も神妙な面持ちで語っていたが、この逆境を乗り越えなければ未来はない。香川は初心に返ってフレッシュな気持ちで出直しを図るべきなのかもしれない。

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