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原口・香川・宇佐美は無得点。ブンデス組、合格点は誰か?【前半戦通信簿】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

巻き返し図る宇佐美。原口は移籍も視野に?

宇佐美貴史 原口元気
二度目のドイツ挑戦に踏み切った宇佐美貴史(左)と日本代表では完全なる点取屋の原口元気(右)【写真:Getty Images】

 二度目のドイツ挑戦に踏み切った宇佐美も、前任のディルク・シュスター監督から構想外のような扱いを受け、かつてないほどの苦しみを味わった。12月に入ってマヌエル・バウム新監督が就任し、12月17日のボルシア・メンヘングラッドバッハ戦でようやく今季初先発のチャンスを得たものの、超守備的戦術で戦った年内最終戦だった20日のドルトムント戦は出番なし。指揮官の信頼がまだまだ薄いことを伺わせた。

「ドイツでボールを保持するスタイルを採っているのは上位6~7チームくらい。バイエルン(ミュンヘン)とかドルトムントというクラブに対して、1部下位のチームの戦い方が徹底しているというのは、ドイツでは結構あること。今日の左サイドは5バックの左まで落ちるシステムだったんで、そういう中で(自分)はまだ使いにくいと思われているのかな」と本人も厳しい現実を分析していた。

 だが、リーグ戦10戦出番なしの苦境にあえいだ時期も決して後ろ向きにはならなかった。自分自身の在り方をピッチ内外から多角的に検証し、細部に至るまで改善を行ってきた。自らフィジカルコーチを捕まえて負荷の高い自主練を行うなど、過去の宇佐美からは想像できない自主性、積極性も前面に押し出した。

 こうした努力はまだ結実していないが、新指揮官の下でチャンスが増えていくのは間違いない。「後半戦も今と同じ状況じゃ話にならないし、もう下積みというか、積み上げ作業は半年で十分。それを試合にぶつけるシーズン後半戦にしたい」と巻き返しを誓っていた。

 こうした面々と原口はやや境遇が異なる。日本代表では完全なる点取屋の彼はヘルタ・ベルリンでは守備に比重を置いたサイドアタッカー。今季16試合中15試合に出場し、スプリント回数や走行距離、デュエル勝率などはチームトップクラスを維持し続けたものの、得点に至るチャンスは極端に少ない。そこがゴール数の伸び悩んだ最大要因だと本人も捉えているのだ。

「自分には『欧州で年間10点をコンスタントに取れる選手』という目標があるけど、今の環境でシーズン10点は難しい。ヘルタでまだまだ伸びる部分もあるけど、伸ばせない部分もあるんで、ステップアップも考えています。前目でもう少しボールを持てたり、いい形でボールが入る環境も視野に入れたい」と原口は移籍も考え始めている様子なのだ。

 そういう理想的な環境がすぐ見つかれば、この冬の移籍もあり得るだろうが、簡単ではないかもしれない。ただ、本人が強く求める得点力を身に着けたいのなら、思い切った一歩を踏み出す必要があるのは確かだろう。

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