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Jリーグ 7年前

【英国人の視点】鹿島が示した日本サッカーの本当の実力。見えた“世界との差”、改めるべき不必要な過小評価

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

ジダンとカゼミーロの戸惑いは、何を意味するのか?

レアル・マドリー
クラブW杯で優勝したレアル・マドリー【写真:Getty Images】

「自分たちの成長がどう思われているのか?」「どうすればさらに向上できるのか?」そう問いかけることが有効な場面はある。だが一方で、自動的に自分を相手より下位の立場に置くことが不必要な場面もある。

 日曜日の横浜での決勝の試合前後にマドリーのジネディーヌ・ジダン監督や選手たちが見せていた反応は、そういった教訓を与えてくれるものだった。日本サッカーの発展についてどう考えているかと問われたジダン監督は、いささか戸惑い気味にこう答えていた。

「発展を遂げてからすでにかなりの時間が経過していると思う。ここ数年で起きたことではない。ビッグクラブも含めて欧州でプレーしている日本人選手たちもいる。彼らがそのレベルに到達するのを助けたのは日本の監督やコーチたちだ」とフランスのレジェンドは語った。

 決勝での鹿島の印象的な戦いぶりについてコメントを求められた選手たちも、同様に当惑する様子を見せた。

 マドリーが試合をコントロールするのに苦しんだのはなぜかと問われたカゼミーロは、「そういう質問はあり得ない」と回答。「これはサッカーの試合であり、1試合だけの戦いだ。鹿島は良いサッカーをしていて、一発勝負なら最後までしっかり戦う必要があると僕らも分かっていた。彼らが決勝まで進んできたのは良いチームだからだ」

 もちろん、石井正忠監督のチームがマドリーにこれほど肉薄すると予想していた者はわずかだろう。鹿島のパフォーマンスは日本のサッカー史上に残るものだ。だが、準優勝という成績は決して青天の霹靂ではない。

 昨年の大会では、サンフレッチェ広島が準決勝でリーベル・プレートに0-1で惜敗し、最終的に3位で大会を終えた。ジダン監督も指摘する通り、欧州のトップリーグで見劣りせず戦えることを証明する日本人選手も増え続けている。

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