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Jリーグ 7年前

鹿島加入の東福岡・小田逸稀にかかる期待。左SBで孤軍奮闘中の山本脩斗と“伝統の”競争へ

text by 藤江直人 photo by Taisuke Nishida, Getty Images

2年時からクラブが注目した超高校級の左SB

小田逸稀
鹿島への加入が決まっている、東福岡高校のDF小田逸稀【写真:西田泰輔】

 たとえばボランチは、キャプテンの小笠原満男に終盤戦で存在感を増した永木亮太、そしてレアル・マドリーとのFIFAクラブワールドカップ決勝で2ゴールをあげた柴崎岳がポジションを争う構図のなかに、Jリーグ屈指のボールハンター、レオ・シルバが加わる。

 このオフに柴崎へ海外クラブからオファーが届くことを想定してのリスクマネジメントであり、選手間の競争意識を煽ることでチーム力をさらにアップさせる狙いも同時に込められている。金崎夢生と土居聖真、鈴木優磨、赤崎秀平がしのぎを削るなかへ、ペドロ・ジュニオール、レアンドロ、高速ドリブルを得意とするリオデジャネイロ五輪代表候補の金森が加わるFW陣も然りだ。

 一方で高卒のルーキーも、FW安部裕葵(広島・瀬戸内)とDF小田逸稀(福岡・東福岡)の加入が内定している。前者は広島県で開催された昨夏のインターハイ、後者はまだ記憶に新しい第95回全国高校サッカー選手権大会に出場して、ともに大会優秀選手に選出されている。

 特に小田は東福岡がインターハイと選手権の夏冬二冠を達成した2015年度も、左サイドバックのレギュラーとして鮮烈な印象を残した。アントラーズの椎本邦一スカウト担当部長をして「身体能力の高さと対人の強さがあり、2年生のときから注目していた」と言わしめた超高校級のホープであり、昨年9月の段階で内定が発表されている。

 東福岡の志波芳則総監督によれば、アントラーズからは現時点におけるチームの「アキレス腱」になりうるポジションを担っていく存在として、小田に白羽の矢が立てられたという。

「左サイドバックを強化したいので、ぜひともお願いしますとオファーをいただきました」

 アントラーズの左サイドバックは2014シーズン以来、ジュビロ磐田から加入した山本脩斗が代役の利かない存在として、文字通り獅子奮迅のパフォーマンスを演じてきた。

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