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香川真司 7年前

香川が語る苦戦の正体。ドルトに広がった”敗北の恐怖心”

現地時間21日に行われたブンデスリーガ第17節でボルシア・ドルトムントはアウェイでヴェルダー・ブレーメンと戦った。待望の先制点を奪ったものの、追加点を奪うよりも失点したくないという気持ちが勝り、堂々としたサッカーを展開することはできなかった。まずは勝ち星を重ねて失いかけている自信を取り戻すことが重要になりそうだ。(取材・文:本田千尋【ブレーメン】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

追加点を奪う貪欲さに欠けたドルト

トーマス・トゥヘル監督
ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督【写真:Getty Images】

 まだ“自信”は見えて来ない。2017年1月21日のブンデスリーガ第17節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでヴェルダー・ブレーメンと戦った。
 
 およそ1ヶ月のウインターブレイクが開けた後期の開幕戦。開始早々の5分、ロイスのパスにシュールレが縦に抜け出して、先制のチャンスを確実にモノにする。前半戦の終盤には7試合連続で先制点を献上し続けたドルトムント。待望の先制弾は、しかし、かえって選手たちを消極的にしてしまったようだ。

 左のインサイドハーフで先発した香川真司は、次のように振り返る。「ああいう形で得点できて、どこか失点したくないという気持ちは少なからずみんなあった」

 誰もが勝利に飢えていた。ドルトムントは先制点をプレゼントし続けたばかりか、前半戦のラスト4試合は全てドローに終えている。だが、勝利を確実なモノとするために、追加点を奪おうとする貪欲さは、前半のドルトムントに欠けていた。

「特に前半に関して、ボールを蹴るのか、後ろから繋ぐのか、そこが前と後ろですごく差があった」勝ちたいというより、負けたくない。敗北の恐怖がイメージの共有を奪う。DFラインに吸収されたまま、前に出ようとしない右ウイングのプリシッチ。

「はっきり前にボールを蹴って、ラインを高く保ってコンパクトに攻守をやる必要があった部分と、後ろから繋いでいくっていう部分で曖昧だった分、相手のプレッシャーを受けて不用意な取られ方がたくさんあった」

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