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Jリーグ 7年前

磐田、守備面で一定の手応え。組み合わせによる連係の確認。“未整理”の攻撃に伸び代か

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki, Getty Images

存在感を発揮している新加入選手たち

ジュビロ磐田に加入した中村俊輔
ジュビロ磐田に加入した中村俊輔【写真:青木務】

 攻撃に関してはそこまで手をつけていないとはいえ、選手の『個』は発揮された。

 相手ゴール前でのスリリングなシーンを多く作り出し、得点に結びつける。昨シーズン以上の結果を残すためには、守備の強化も必須だが、攻撃力アップも求められる。その意味で、新加入選手が前線で存在感を発揮していることは、ポジティブな要素だろう。

 新しいチームでプレーする選手にとって、味方の特徴を掴むことが重要だ。

「今日は少しズレてもいいから、自分の感覚でプレーした。『自分はこういう動きをするんだよ』というのを。合わない部分がほとんどだったけど、自分はこうだというのを出して、それを少しずつキャンプ中にすり合わせていこうかなと思う」

 1月24日、今シーズン初の対外試合となったJFL・ヴィアティン三重とのトレーニングマッチで、中村俊輔はアイディアとメッセージを左足に込め、新たな仲間のことを知ろうとした。

 ニューイヤーカップ初戦のロアッソ熊本戦、出場した70分間で多くのチャンスを演出した。低い位置からのゲームメイク、精度の高いキックでチームを操る。さらに、果敢にシュートを放つなど多くの見せ場を作った。

 この試合の先制点を巻き戻すと、中村俊輔のサイドチェンジが起点となっている。そのパスを受けたのが太田吉彰。“極上の出し手”との連係は、すでに高いレベルにある。

 今シーズンも主力としての働きが期待される太田は、無尽蔵のスタミナで90分働き続けることのできるアタッカー。鹿児島キャンプ中に行われた大学生との練習試合では、何度も右サイドからチャンスを作った。相手との力の差はあったにせよ、10番から繰り出されるパスに対し適切に呼応できている証左だろう。

「常に出せる位置にボールを置いているので、見ていなくても走り出すことを心がけていかないといけない。『来るかな』で走っていては絶対に遅い。キックミスは絶対にしないので、タイミングさえ合えば自分が輝けるボールを絶対に出してくれる」

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