J3藤枝、J初のカンボジア人選手獲得に秘める狙い。“国民的スター”とともに見据える東南アジア戦略

Jリーグ史上初のカンボジア人選手となったチャン・ワタナカ。日本代表とも対戦したこともある国民的スターがJ3の藤枝MYFCに加わったことで、カンボジア国内でのクラブの知名度は向上した。クラブの東南アジア戦略において、ワタナカは重要な存在となりそうだ。(文:宇佐美淳【ホーチミン】)

2017年03月19日(Sun)7時20分配信

text by 宇佐美淳 photo Getty Images
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カンボジアで無名だった藤枝がSNSで一躍有名に。ワタナカに期待されること

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J3の藤枝に加入したJリーグ初のカンボジア人選手、チャン・ワタナカ【写真:Getty Images】

 今年1月、カンボジア代表FWチャン・ワタナカ(23歳)がJ3の藤枝MYFCに加入した。これを受けて、カンボジアでは当初全く知られていなかったであろう藤枝の知名度が急上昇。同クラブのクメール語版Facebookページの「いいね!」件数は、開設から約1ヶ月が経過した現在で約3万3000件に達しており、日本語版の約9500件を大きく上回っている。

 カンボジアリーグ王者ボーウング・ケット・アンコールFCから期限付き移籍したワタナカは、同国初のJリーガーとして日本・カンボジア両国で注目を集める存在だ。ワールドカップ・アジア2次予選で両国が対戦した際、第2戦目で途中出場したため既に日本のサッカーファンの間でも名前が知られていたかと思うが、国内では“カンボジアの至宝”と称される程の国民的スター。ワタナカ本人のFacebookページは、フォロワー数が21万人を超えるという凄まじい人気ぶりだ。

 国内での実績をみてみると、2015年にリーグ得点王、2014年と2015年には年間MVPを連続受賞するなど非の打ちどころがない。まだ23歳だが、東南アジア域内でもその決定力は高く評価されており、対戦国から厳しいマークを受けるようになっている。

 これまで東南アジアでも格下扱いだったカンボジアが、ワールドカップ・アジア1次予選を初突破。さらに4大会ぶりとなるAFFスズキカップ本戦の出場を決めたのは、ワタナカの存在なくして成し得ないことだった。

 ワタナカは昨年末に藤枝の練習に参加。このときは契約前提のトライアウトではなかったが、練習中に見せたゴール前でのセンスや左足のテクニックが評価され、晴れて正式に契約する運びとなった。

 もちろん、今回の移籍にはアジア戦略も絡んでいるため、ワタナカにはピッチ外での貢献も期待される。ワタナカは開幕に先立ち行われたJリーグキックオフカンファレンスにクラブを代表して出席。こうした動きからも今後の東南アジア市場開拓を見据え、クラブの広告塔にしようという藤枝の狙いがうかがえる。

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