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日本代表 7年前

倉田秋、非常事態で高まる期待。遠藤と今野の檄を糧にG大阪の苦労人が初の国内代表戦へ

text by 藤江直人 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

ボランチの非常事態に高まる期待

今季のガンバ大阪では背番号10をつけインサイドハーフのポジションで躍動している
今季のガンバ大阪では背番号10をつけインサイドハーフのポジションで躍動している【写真:Getty Images】

 UAEの地から再び幕を開けたハリルジャパンでの日々。指揮官からは「バランスを見ろ」と幾度となく指示を受けた。約束ごとを守ったうえで、チームに新たな力を加えたいと苦笑いしながら腕をぶす。

「勝手にというか、本能的に出ていっちゃう場面があるので。行くところは行っていいけど、周りの状況をよく見てからにしろと監督からは言われています。そのへんをもうちょっと頭を使いながら、リスクマネジメントをしながら攻撃に参加したい。どこに入っても、しっかりと守備から入って、という感じですね」

 28日のタイ代表戦を前に、ボランチのポジションには非常事態が発生している。長谷部と今野に加えて、今シーズンから加入したFC東京で存在感を放っている高萩洋次郎までが骨折で離脱した。

 現状ではUAE戦でアンカーを務めた山口蛍(セレッソ大阪)と、追加招集された遠藤航(浦和レッズ)、ハンブルガーSVでボランチを担うこともある酒井高徳と倉田しかいない。

 中盤を再びアンカーを置く逆三角形とするのか、通常の2人のボランチを置く正三角形とするのかでメンバーも変わってくる。そのなかで両方を務めることのできる倉田の存在が、一気に増してくる。

 ハリルホジッチ監督はタイが引いてくると予想し、ミーティングではポゼッションを織り交ぜていくことを指示している。そうなると逆三角形でより攻撃的なメンバー編成で臨んでくるだろう。

「前に3トップがいるので、ガンバのときほど攻撃的には……ただ、チャンスと思ったら前へ飛び出していくのが自分の持ち味でもあるので、いいタイミングでできたら。選手なら誰でも先発で出たいし、引いた相手に対して自分の位置からいい仕掛けとスピードアップができれば、いい攻撃につなげられるので」

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