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日本代表 7年前

倉田秋、非常事態で高まる期待。遠藤と今野の檄を糧にG大阪の苦労人が初の国内代表戦へ

text by 藤江直人 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

ユースから昇格も…出場機会が少なく期限付き移籍を経験

出場機会を求めジェフ千葉とセレッソ大阪の期限付きを経験した倉田
出場機会を求めジェフ千葉とセレッソ大阪の期限付きを経験した倉田【写真:Getty Images】

 大きな期待を背負って、ユースからトップチームに昇格したのが2007シーズン。しかし、遠藤や二川孝広(現東京ヴェルディ)、明神智和(現AC長野パルセイロ)らがひしめく中盤の牙城は険しかった。

 出場機会を求めて2010シーズンにはジェフ千葉へ、2011シーズンにはセレッソ大阪へ期限付き移籍。その間にフォワードやサイドハーフなど、主戦場のボランチ以外にもさまざまなポジションを経験した。

 J1初ゴールを決めたのは、偶然にも2011シーズンの開幕戦となったガンバとの大阪ダービーだった。積み重ねてきた艱難辛苦が、中盤のマルチロールとして開花しつつある、いま現在の血肉になっている。

「ガンバに入って3年目くらいまで試合にあまり出られなかったので、あの時期がやっぱり一番辛かったというか。でも、あの時期があったからこそいろいろなことを考えて、自分のプレーを見つめ直すことができて、いまの自分があるとも思っているので。

 ホンマに辛い時期もありましたけど、自分がやってきたことは間違いじゃなかったと、いまになってやっと感じられているので。これからも自分のいまの考えを貫き通していきたいし、もっともっと成長できるように頑張っていきたいと思います」

 ガンバでは今シーズンから新境地にトライしている。3バックの前に遠藤をアンカーとして配置し、その前方で今野とインサイドハーフを組む姿に、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も注目した。

「非常に興味深い選手だ。ボールリカバリーをしながら、後方からプレーを加速させる役割を担っている。ボールをもっているときだけでなく、もっていないときもチームを加速させられる、チームに何かをもたらすことのできる選手だ。いろいろなところに行くポジショニングを修正すれば、いろいろとできると思う」

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