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Jリーグ 7年前

鹿島の新星FW安部裕葵。本田圭佑プロデュースチームの出身者が18歳でJデビュー

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「お前はここからや。今日で満足するなよ」(昌子源)

 アルディージャ戦をにらんだ紅白戦では、招集されていたハリルジャパンから戻ったばかりの昌子源、植田直通がセンターバックを組むレギュラー組が、一方的に攻め込まれた末に負けている。

 リザーブ組のツートップを務めたのは、アビスパ福岡から加入したリオデジャネイロ五輪代表候補の金森健志と安部。実際にゴールを決められたのはペドロ・ジュニオールと鈴木がツートップを組んだ後半だったが、昌子は前半からの悪い流れがアルディージャを無失点に抑える糧になったと感謝する。

「僕とナオ(植田)がまったく我慢できなかったからね。紅白戦のおかげといったら情けない話やけど、3点くらいぶち込まれたおかげで我慢というか、特にディフェンスラインはすごく集中できたと思う」

 その昌子から、安部はアルディージャ戦後に「お前はここからや。今日で満足するなよ」と檄を飛ばされた。期待が込められているからこそ、やや厳しくなったと昌子は振り返る。

「本人が仕事をできたのか、そうじゃないのかはわからないけど、じゃあ次もベンチ入り、そして先発という保証は、このチームには絶対にないので。そういう慢心のようなものがないように、ひと言だけ言いましたけど。でも、ヒロキ(安部)は上手いよね。人とはちょっと違うドリブルをしてくる感じもあるので」

 印象に残るプレーはしたが、記録に残るそれはピッチに刻んでいない。放ったシュート数はゼロ。潜在能力を高く評価するからこそ、石井監督も手放しで褒めることはなかった。

「僕もそうですけど、彼自身も納得いくプレーはできなかったんじゃないかと思っています。ただ、能力は高いので、今日をきっかけにチームの力になっていってくれれば」

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