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香川真司 7年前

香川が語る「保ちにくさ」の意味。ドルトムント対ケルンで表出したビッグゲーム後の緩み

text by 本田千尋 photo by Getty Images

勝ち点「1」はポジティブなのか。次節は3位争い直接対決

香川真司
ケルン戦に先発出場した香川真司は奮闘したものの66分に途中交代【写真:Getty Images】

 後半に向けて香川はこう考えたという。

「テンポを上げて、あとはサイドに圧力を持たせてというのを意識しました」

 しかしそんな思惑とは裏腹に、ドルトムントは攻撃にあまり変化を加えることできず、後半は「ズルズルいってしまった」。両チーム互いに譲らず、ゲームは膠着する。

「僕たちも少し単調になって、彼らも後半、より慣れてやりやすくなったと思いますし。ああいう引かれた相手に対して、距離感であったりコンビネーションであったり、やはりボールの回し方を含めてちょっと、相手としては守りやすかったのかなあと思います」

 トゥヘルは66分に香川とロイスを同時に下げて、ラファエウ・ゲレイロとウスマヌ・デンベレを一挙に投入したが、流れを変えることはできなかった。ケルンの守備に綻びは見られず、かといってドルトムントのゴールが脅かされることもない。春の日差しに誘われて、ピッチの上では2羽の鳥が日向ぼっこを始めていた。そこに3羽目もやって来た。

 そして0-0のまま迎えた、後半のアディショナルタイム。ウカシュ・ピシュチェクからのロングパスを、ゲレイロがゴール前でヘディング。最後の最後で、渾身の決定機だった。しかしGKティモ・ホルンに左手一本で防がれてしまう。試合終了。最終的には両チームが互いに勝ち点1を分け合うこととなった。

 このケルン戦で勝ち点1を得たことは、ポジティブに捉えても良いのかもしれない。負けなかったことで、カップ戦の勝利の流れを途切れさせることにはならない。勝ち切れなかったことで、もう1度、気を引き締め直すことができる。

 次節は3位を争うホッフェンハイムとの直接対決だ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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