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Jリーグ 7年前

小川航基、「エース」として挑むU-20W杯。期待のFWに磐田・名波監督が与えるノルマ

5月20日に開幕するFIFA U-20 ワールドカップ韓国2017。グループDに入ったU-20日本代表は21日に南アフリカとの初戦を迎える。今大会、日本のエースとして期待されるのが小川航基だ。今シーズンから所属クラブのジュビロ磐田で存在感を強めているストライカーは、世界の舞台でどのような姿を見せるのだろうか。(取材・文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

名波監督が指摘する、柳沢や高原との違い

U-20日本代表の小川航基。U-20W杯ではエースとして期待がかかる
U-20日本代表の小川航基。U-20W杯ではエースとして期待がかかる【写真:Getty Images】

 U-20日本代表のエースとして期待される小川航基だが、彼の最大の魅力とは何だろうか。

「ゴールバリエーションが豊富」

 名波浩監督は新星の能力を認めているが、その得点感覚は特筆すべきだろう。右足、左足、頭と小川から放たれるシュートは常に可能性を感じさせる。こぼれ球に反応するための準備動作も洗練されてきた。今シーズン、JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第3節・FC東京戦でハットトリックを記録したことからもわかるように、本格的に公式戦に絡む中で、本人が渇望し続けた『結果』も出ている。

 リーグ戦でのスタメン出場はまだないが、第9節のコンサドーレ札幌戦では前半途中に投入されると、川又堅碁と2トップを組んだ。堅い守備を持つ札幌の3バックの陣形を広げる、もしくは下げさせるといったプレーを実行。相手に脅威を与え、チームに流れを引き寄せた。84分には、巧みにボールをキープした川又からラストパスを受けると、右足を一閃。逆転ゴールが決まったかに思われたが、シュートは惜しくもクロスバーに嫌われた。

「柳沢(敦)や高原(直泰)と違うのは、まだボックスの中で力んでしまうこと」

 名波監督はこのシーンについて、小川と同じく高卒でプロの世界に飛び込んだFWを引き合いに出してこう話した。W杯にも出場した日本サッカー界のレジェンドとの差は小さくないが、そうした面々との比較自体に、背番号18への期待を感じさせる。

 確かにフィニッシュは力が入り過ぎたが、この攻撃は小川のポストプレーから始まっていた。味方と絡みながら『仕上げの局面』を生み出したことには価値があるだろう。

 高卒2年目のストライカーは磐田の戦力として稼働しつつある。そして、公式戦に出場することで改めて見えてきたものもあるという。

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