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日本代表 7年前

【U20】余裕のイタリア、窮地の日本。運命の一戦で活かしたいウルグアイ戦の手痛い教訓

U-20W杯のグループステージも残すところ1試合となった。24日の第2戦、南米王者ウルグアイは日本に力の差を見せつけた。彼らはどのような狙いで日本戦に臨んだのか。そして、第3戦で対戦するイタリアは何を考えているのか。決勝トーナメント進出へ、日本にとって厳しい道のりが続く。(取材・文:舩木渉【水原】)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

南米王者に油断なし。日本の弱点を徹底攻略

ニコラス・スキアパカッセ
1点目のゴールを決めたニコラス・スキアパカッセ【写真:Getty Images】

 南米王者ウルグアイに油断は一切なかった。

 24日のU-20W杯グループステージ第2戦で日本を破ったU-20ウルグアイ代表のDFサンティアゴ・ブエノは試合後、「日本はラインを上げてプレスにきた。後ろから見ていたらスペースが相当あるように見えたので、後ろからパスを出す意識は持っていた。ピッチを広く使いたかった」と語った。

 ウルグアイは日本の弱点をしっかりと研究し、最初から最後まで嫌なところを突いてきた。前半は徹底してスピードに欠け、守備対応に不安のある左サイドバック・舩木翔の裏のスペースを狙う。最終ライン、あるいはアンカーに入ったフェデリコ・バルベルデが蹴るロングパスがスイッチになっていた。

 前半の序盤、日本は果敢なプレッシングでウルグアイを押し込み、パスワークで南米王者を翻弄しているように見えた。だが、これは「見えた」だけで彼らの術中にはまっていたのかもしれない。常にカウンターを狙っているのは明らかだった。

 守備から攻撃に転じた瞬間、ウルグアイは前線に残った3トップのいずれかに鋭いパスを通す。それに合わせてインサイドハーフのロドリゴ・ベンタンクールやカルロス・ベルナビデスが猛ラッシュをかけゴールに迫ってくる。

 その迫力は日本の選手も感じていた。原輝綺は「ああいうのは相手の進路上に入ってスピードダウンさせないといけない。横並びになったら明らかに相手の方が速いので、置いていかれる」と体感した世界の力について語る。

 だが、日本戦に向けてウルグアイに不安がなかったわけではない。試合後、ファビアン・コイト監督は記者会見で「フィジカルコンディションが良くなかった」と明かした。「日本のスタイルに支配された」とも述べている。

 確かにウルグアイの先発メンバーは、3日前のイタリア戦から1人変更したのみ。加えてファクンド・ワレルと、イタリア戦で衝撃的なフリーキックを決めたロドリゴ・アマラルは負傷によりベンチ外となっていた。

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