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日本代表 7年前

【U20】余裕のイタリア、窮地の日本。運命の一戦で活かしたいウルグアイ戦の手痛い教訓

text by 舩木渉 photo by Getty Images

エースを失った日本。自信に満ち溢れるイタリア

 イタリアの選手たちが燃える理由はもう一つある。今年はU-21欧州選手権があり、本来ならU-20代表に入っているはずの何人かは、A代表のW杯予選もしくはU-21代表に招集される見込みになっている。ジャンルイジ・ドンナルンマやマヌエル・ロカテッリ、フェデリコ・キエーザといった選手たちがその例だ。

 U-20イタリア代表の選手たちは、同世代に先を越された悔しさをU-20W杯にぶつけてくるだろう。ここで活躍すれば、明るい未来が拓けてくるかもしれない。セリエBでのレンタル生活に終止符を打ち、より高いレベルのクラブでプレーするチャンスがもらえるかもしれない。そう考えれば燃えないはずはない。

 24日の南アフリカ戦では、ジュセッペ・スカーラのロングスローを長身FWアンドレア・ファヴィッリに合わせる形も見せてきた。個の能力はウルグアイほどでないものの、南米王者に勝るとも劣らない組織力を備えるイタリアは相手の嫌なところを突く能力もピカイチで、守備は今大会屈指の堅さを誇る。

 試合後のミックスゾーンで取材していると、イタリアやウルグアイの選手たちからは余裕すら感じられる。表情はリラックスし、自信に溢れている。彼女とテレビ電話しながらスタジアムを出てくる選手すらいるほどだ。

 彼らには2試合欠場が続いているフェデリコ・ディマルコの状態や、南アフリカ戦で負傷したニコロ・ヴァレッラの不在など不安要素があるにもかかわらず、気にするそぶりすら見せない。小川航基の負傷離脱でチームの根幹が揺らいでいる日本とは、試合中の精神状態に差が出てくるかもしれない。

 それでも日本にとっては決勝トーナメント進出に向けて勝たなければならない相手。ウルグアイ戦で経験したことを生かし、より老獪でしたたかなイタリアを倒さなければ、その先にある戦いの舞台は見えてこない。

(取材・文:舩木渉【水原】)

【了】

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