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日本代表 7年前

昌子源にかかる期待と重責。叫ばれる世代交代の必要性、吉田を超えるCBの台頭

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「あのCL決勝並みのレアルともう一度戦ってみたい」

クラブW杯決勝ではレアル・マドリーとの試合を経験した昌子
クラブW杯決勝ではレアル・マドリーとの試合を経験した昌子【写真:Getty Images】

 昌子は昨秋、「サッカー選手の全盛期は25歳と言われるけど、センターバックに限っては30歳前後がピークなのかもしれない。麻也くんや森重くんが今、そういう時期を迎えていると思う。自分はまだまだ発展途上にある選手。彼らくらいの年齢で成熟したDFになっていたら理想的だと思う」としみじみ語っていたことがあった。

 が、昨年末のFIFAクラブW杯決勝のレアル・マドリー戦を経て「そんなに悠長に構えていたら世界トップに追いつけない」という危機感を抱いたのではないだろうか。

 実際、2017年に入ってからの成長スピードは凄まじいものがある。「あの大会は間違いなく自信にはなったけど、相手も本気じゃなかった。レアルのCL決勝と俺らとやった試合なんて全然違った。あのCL決勝並みのレアルともう一度戦ってみたい」と世界トップを体感したことが、急激な進化につながっているはずだ。

 今回のシリア戦で彼が「十分やれる」という感触を残せば、吉田の相棒の座を射止められる可能性は少なくない。同じ92年生まれのプラチナ世代の仲間である宇佐美貴史(アウグスブルク)や武藤嘉紀(マインツ)、柴崎岳(テネリフェ)でさえ破れなかった代表レギュラー獲得を一足飛びにつかめるかもしれないのだ。

 守備陣の若返りが進めば、日本代表の競争はこれまで以上に活発になっていく。大きな期待を背負う昌子の一挙手一投足、吉田とのコンビネーションをしっかりと見極めたいものだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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