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Jリーグ 7年前

名波ジュビロ、躍動の2017前半戦。守備の改善が結実。サックスブルーはさらなる高みへ

text by 青木務 photo by Getty Images

2年越しの勝ち点40越えを単なる通過点にできるか

 名波監督は選手間の対話を重要視する。背番号10も「コミュニケーションを取って実際に活かせるのはこのチームの良さだと思う」と共感しており、勝利という目標へチーム全員が同じ方向を見ていることに手応えを掴んでいる様子だ。

 今シーズンの磐田は先制した試合で7戦全勝と、勝ち点3獲得の方程式ができつつある。だが、このレフティーは追いかける展開にも目を向ける。ベストゲームのひとつに第7節・サガン鳥栖戦を挙げたが、この一戦では最後の最後に試合をひっくり返し勝利を手にしている。

「逆転できた試合はいいと思う。うちは先制点を取ってからそのままのリズムで戦う、というのはできている。でも、先に取られてしまった試合でも粘り強くやっていかないといけない。先制されてから、どうリズムを崩さずに粘り強くやっていけるかというのが、後半戦の鍵になると思う」

 昨シーズンとは比較にならないほど、磐田がグレードアップしたのは言うまでもない。選手・監督ともに収穫の大きさを感じながらも、全く浮かれたところがないのも頼もしい。

 いつかは連勝も止まるだろう。もしかしたら、5月のように勝てない時期がまた訪れるかもしれない。しかし、名波ジュビロはその度に力強く立ち上がるだろう。危機感とチャレンジャー精神を濃厚に感じられる今の雰囲気を維持できれば、大崩れすることはないはずだ。

 2年越しの勝ち点40越えを単なる通過点とし、さらに上を目指してまい進したい。それを可能にする力が、今の磐田にはある。

(取材・文:青木務)

【了】

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