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Jリーグ 7年前

ポドルスキが背負う特大の期待と使命。Jリーグ変革元年、神戸が指した未来への一手

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

目標はACL出場権獲得。困難なミッションだが…

ポドルスキ
ポドルスキはイベントに集まったファンと時間の許す限り交流した【写真:舩木渉】

 彼はドイツ代表でW杯を制しただけでなく、バイエルン・ミュンヘンやアーセナル、インテル、ガラタサライといった常に勝利を求められる環境でプレーしてきた。ケルンではエースとして常に結果を残さなければならない立場にあった。

 大きな期待への向き合い方、そして選手としていかに振る舞うべきか、勝利のために何をすべきか、結果を残すために必要なものは何か、すべて知っている。これまでのキャリアの中で積み上げてきた経験が、自信になって表れている。

「僕にとってこれは大きな挑戦になる。ヨーロッパでプレーしているのではなく、いまはアジアのJリーグにいる。もちろん大きな移籍ではあるけど、僕には目標がある。クラブやチームメイトたちと最後に目標を達成したい。最初の目標は3位以内に入ってACLの出場権を獲得することだ」

 長いキャリアの中でアジアのクラブに所属するのは初めてだが、ポドルスキの目標は明確であり、チームに合流すれば「ACL出場権獲得」に向けて何をすべきか、何が足りないのか、はっきりと伝えるだろう。

 神戸はJ1の前半戦を終えて11位に沈んでいる。目標とする3位との勝ち点差は11ポイント。今季中に追いつくのは決して不可能ではないが、極めて困難なミッションになる。加えて現在3連敗中で、前節の川崎フロンターレ戦は0-5の大敗を喫してネルシーニョ監督の進退が騒がれるような状況だ。

 それでもポドルスキが神戸にもたらす影響の大きさは計り知れない。彼の振る舞いには期待を抱かせるだけの要素があった。

 6日朝に行われたイベントには、神戸に到着したポドルスキを歓迎するため約800人のファンが参加した。そこで元ドイツ代表のスターは求められるサインや写真撮影のほぼすべてに応じ、子どもとふれあい、ファンとの対話を楽しんだ。

 ポドルスキのような選手がファンに歩み寄ってくれれば、「もっと応援したい」という気持ちは強くなるはず。そうやって互いの距離を近づけることで自分たちへのサポートがより強く大きくなることを、ポドルスキは自らの経験から自然に理解していたのだろう。

「僕はここでみんなを助けたいし、1人ではない。チームメイトたちが助けてくれると願っている。僕たちは顔を上げて、ハードに練習して、90分間ピッチ上で戦い、勝ち点3を獲りにいく」

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