ヴェルディで起きている変革。スペインの智将・ロティーナ監督が選手に与える要求

2017年07月11日(Tue)15時29分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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混戦のJ2。ここからが真の勝負に

 もちろん、リスクを冒し続けるだけでない。ファジアーノ戦では同点とした4分後に、FW高木善朗に代えてボランチの中後雅喜を投入。梶川を2列目に上げて、布陣を「4-4-2」に変更した。

 実質的な2バックになってからは幾度となくファジアーノのカウンターを食らい、冷や汗をかかされる場面もあった。2枚のセンターバックとダブルボランチで中央をしっかり固めたうえで、残り10分あまりで勝ち越し点を奪いにいった。

 最終的にはお互いに譲らず、1-1のドローで勝ち点1ずつを分け合った。それでも、4バックに変えてからさらに失点を重ねて大敗したロアッソ戦に比べれば、半歩ながら前進したと言ってもいい。

 後半戦に突入したJ2戦線は首位の湘南ベルマーレ、2位のアビスパ福岡がやや抜け出し、一方で3位の徳島ヴォルティスから14位のファジアーノまでが、勝ち点7差のなかにひしめいている。

 そのなかでヴェルディは水戸ホーリーホックと勝ち点35で並び、得失点差で上回る5位をキープ。ヴォルティスとの勝ち点差は4だが、ここからが真の勝負だと井林は表情を引き締める。

「まだまだですね。ずっと失点が続いているし、開幕当初に比べれば不安定な試合になっているので。ディフェンスとしてもこらえる時間帯はこらえて、チームとして点を取るべきところでしっかり取って、勝ち切らないといけない。ただ、昨シーズンまでと比べて手応えは間違いなくあります」

 10年ぶりとなるJ1昇格へ。スペインで一時代を築いた智将ロティーナのもとで変貌を遂げるヴェルディは、リスクを排除した組織的な戦いに、状況や時間帯によってリスクを冒す二律背反したスタイルを共存させながら、胸突き八丁の後半戦を勝ち抜いていく。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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