フットボールチャンネル

Jリーグ 7年前

山村和也が語る“トップ下コンバート”の実際。C大阪・ユン監督に見抜かれた潜在能力

text by 小田尚史 photo by Maiko Tsujimura, Getty Images

「新たなサッカーの楽しみ方と出会えた」

山村はトップ下で起用されて以降、守備的ポジションを主戦場にしてきた選手とは思えないほどの得点力を見せている
山村はトップ下で起用されて以降、守備的ポジションを主戦場にしてきた選手とは思えないほどの得点力を見せている【写真:Getty Images】

 清武や柿谷2人の“真ん中”での適正は十分に理解した上で、試合の主導権を握るため、“敢えてサイドで起用している”側面もある。それが可能となったのも、山村が真ん中で機能する手応えを得られたからに、他ならない。

 傍目から見れば、新たに与えられたポジションですぐさまフィットしたようにも映る山村だが、「ボールの運び方や、シュートを打つタイミングは難しい」と話すなど、今回のインタビューでは、試行錯誤しながらトップ下を自分のポジションにしようとしている姿も伝わってきた。

 それでも、「楽しく取り組めています。サッカーに対する新鮮な気持ちがまた蘇った、ではないですけど、また新たなサッカーの楽しみ方と出会えたのかなと思います」とインタビューの締めで語った言葉からは、清々しさも感じさせた。

 第16節・仙台戦での得点を最後に、7月以降は得点から遠ざかっており、相手チームからのマークも激しさを増しているが、「僕がシンプルにプレーすれば周りが生きる可能性もありますし、僕がしっかりとキープできればフリーの選手も多くなると思う。そこは臨機応変に、仲間といい距離感でやっていけたらいいかなと。チャレンジすべき一つの課題になると思います」と意欲的に語る。

 C大阪は、第20節を終えた時点で、暫定首位に立っている。ここから戦いが佳境に向かっていくシーズン後半戦も、山村の新たなチャレンジの行く末を見届けたいと思う。

(取材・文:小田尚史)

【了】

インタビュー全文は『フットボール批評issue17』でお楽しみください。

批評17

『フットボール批評issue17』
定価1620円

サッカーの勝敗は戦術で決まる
超一流の戦術眼

優れた戦術眼を持つ選手、監督、識者の視点で、
ゲームメイク論、監督論、GK論、クラブ経営論などを掘り下げ批評していく。

【目次】
■遠藤保仁 日本サッカーを強くする深遠なサッカー観
■乾貴士 リーガで磨かれ続ける戦術眼とインテンシティー
■風間八宏 受ける・外す
■立石敬之・中村忠 FC東京「育成大改革」
■山村和也 原点回帰 トップ下で輝く理由
■川島永嗣 葛藤と生き様 追い求める“理想のGK像”
■髙田明 私がJクラブ社長になった理由

など、160ページの大ボリュームでお届け!

詳細はこちらから

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top