「新たなサッカーの楽しみ方と出会えた」
清武や柿谷2人の“真ん中”での適正は十分に理解した上で、試合の主導権を握るため、“敢えてサイドで起用している”側面もある。それが可能となったのも、山村が真ん中で機能する手応えを得られたからに、他ならない。
傍目から見れば、新たに与えられたポジションですぐさまフィットしたようにも映る山村だが、「ボールの運び方や、シュートを打つタイミングは難しい」と話すなど、今回のインタビューでは、試行錯誤しながらトップ下を自分のポジションにしようとしている姿も伝わってきた。
それでも、「楽しく取り組めています。サッカーに対する新鮮な気持ちがまた蘇った、ではないですけど、また新たなサッカーの楽しみ方と出会えたのかなと思います」とインタビューの締めで語った言葉からは、清々しさも感じさせた。
第16節・仙台戦での得点を最後に、7月以降は得点から遠ざかっており、相手チームからのマークも激しさを増しているが、「僕がシンプルにプレーすれば周りが生きる可能性もありますし、僕がしっかりとキープできればフリーの選手も多くなると思う。そこは臨機応変に、仲間といい距離感でやっていけたらいいかなと。チャレンジすべき一つの課題になると思います」と意欲的に語る。
C大阪は、第20節を終えた時点で、暫定首位に立っている。ここから戦いが佳境に向かっていくシーズン後半戦も、山村の新たなチャレンジの行く末を見届けたいと思う。
(取材・文:小田尚史)
【了】
インタビュー全文は『フットボール批評issue17』でお楽しみください。