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Jリーグ 7年前

浦和・関根貴大、「レッズのプライドをもって」新天地ドイツへ。万感の思いが緩めた涙腺

text by 藤江直人 photo by Getty Images

甲府戦は「正直、空回りしていた部分も多かった」

 迎えたヴァンフォーレ戦。一夜明けた10日には慌ただしく日本を発ち、現地でメディカルチェックを受けるとわかっていても、堀監督から先発を託されればピッチに立つと心に決めていた。

 放ったシュートはゼロ本。味方のチャンスに絡んだプレーも、ほとんどなかった。後半に入ると、やや強引なプレーも目立った。前述したように、ラフプレーでイエローカードももらってしまった。

「ちょっと気持ちが入りすぎた部分もあったかもしれないですけど、そういうアグレッシブなところが彼の持ち味なので。ドイツへ行ってもしっかり出してほしいし、もう少し冷静にというか、しっかりゲームを運べる部分も学べるんじゃないかと思う」

 試合後の公式会見で自身の体制における初勝利を、15試合ぶりとなる完封で花を添えた堀監督が思わず苦笑いした。前半19分に値千金の決勝ゴールを決めたMF柏木陽介も、独特の表現でエールを送る。

「自分でやろうとしすぎやろう、と最後は言おうかなと思った。(前節の)大宮戦にしろ、今日にしろ、あんな真ん中にドリブルで突っ込んで何しよんねんって。それやったら海外で通用せんよ、と言おうかなと思っているけど……まあ、お疲れさんと言いたいです」

 ジュニアユースから、レッズひと筋でプレーすること実に10年目。思い入れは誰よりも強いと自負しているし、だからこそ最後の舞台で大きな足跡を残したかったのかもしれない。

「正直、空回りしていた部分も多かった。自分が結果を残せればよかったですけど、チームのために最後までやり切れたと思います。苦しい状況に置かれているなか、今日の試合はすごく大事だったので勝てて、しかも無失点で終えられたことは、チームとして前向きにとらえていいと思う」

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