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代表 7年前

決戦間近のオーストラリア代表、余裕の調整。日本戦勝利へにじみ出る自信

text by 植松久隆 photo by Getty Images

選手たちの表情には余裕も。チーム状態は上向き

オーストラリア代表のアンジ・ポスタコグルー監督
オーストラリア代表のアンジ・ポスタコグルー監督【写真:Getty Images】

 29日の夕方4時、サッカルーズは、前日と同じ味の素フィールド西が丘で全体練習を行った。この日の参加人数は21名。この練習直前に、第2GKのミッチ・ランゲラク(シュトゥットガルト)が「クラブレベルで解決しないいくつかの問題があり、彼との相談もしたうえで今回は合流しないほうがいいとの判断に至った(ポスタコグルー監督)」という理由で合流しないことが決まり、代わりにアダム・フェデリチ(ボーンマス)が水曜日(30日)朝に到着予定と発表された。これで、先発GKが守護神のライアンとなることは、95%以上確定ということになった。

 実際のピッチに現れたのは21名。誰がいないのかと目を凝らすと先発が予想されるFWトミ・ユリッチ(ルツェルン)がいない。広報に急ぎ確認をすると、「すでに来日はしているが、昨日の到着が遅く、今日ここまで来てストレッチ程度のメニューをするには及ばないという判断。ホテルに残ってプールに入っている。ケガなどはまったくない」とのこと。

 別メニューだったのは、到着から時間があまり経っていないアーロン・ムーイ(ハッダーズフィールド)、アレックス・ガースバック(ローゼンボリ)、そしてクルーズの3名。GK2名は独自メニューで、ダッシュ系のトレーニング、そのあとのボール回しのトレニーングを行ったのは16名。ケガの回復具合が気になるセインスベリーとスミスの両名は完全にフルメニューをこなしており、既に完治していると見て間違いなさそうだ。

 この日の練習は冒頭15分公開のはずだったが、一向に広報がメディアを追い出そうとはしない。彼自身も旧知の記者などと談笑しており、写真も動画撮影もまったく規制がなく、決戦間近の緊張感はまだ見られなかった。そうするうちに、1時間少々のセッションが終了して選手が引き揚げていく。結局、トレーニングは全公開となった。選手の表情にもまだまだ余裕の表情が見られるが、ここから徐々に気合いは高まっていくはずだ。

 この2日間の取材を経て、ほぼベストメンバーを揃えてきたサッカルーズの状態は上向きということだけは間違いないとの確信に至った。明日の前日練習、プレスカンファレンスなどを見てからの最終判断にはなるが、そろそろ先発予想を考え始めなければならない。

 泣いても笑ってもあと1日。昨晩のサウジの負けで、日豪両国の置かれた状況は一晩で大きく変わった。豪州は勝てば通過決定。日本は負けたとしても次が出てきた。多少のガチンコ度の低下はあるだろうが、この日豪決戦の重要性は変わらない。決戦までの残された時間、日豪戦直前のこの独特の興奮の高まりを楽しむことにしたい。

(取材・文:植松久隆)

【了】

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