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ネイマール&カバーニ、“PK騒動”の行方。PSG、バイエルン戦3-0完勝で沈静化か

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

隣同士で手をとりあっていたネイマールとカバーニ

パリ・サンジェルマンのウナイ・エメリ監督
パリ・サンジェルマンのウナイ・エメリ監督【写真:Getty Images】

 試合後のミックスゾーンでMFマルコ・ヴェッラッティは、カウンター主体の攻撃は想定していたものはなく、早い時間にリードを奪えた結果だったと明かしたが、トップにネイマール&ムバッペのスピードスター、名パッサーのダニ・アウベス、展開力に秀でたヴェッラッティらを擁するPSGのカウンターの威力はこれまで以上に強力だ。

 早い時間に失点したことでプランが狂ったバイエルンと、そのために強みを生かすプレーができたPSG。おのずと明暗はくっきりだった。

 名将アンチェロッティも、「スペースを与えてしまったらネイマールとムバッペを止めるのは難しい」と認めたが、この2人に加えてアウベスと、新加入メンバーが全員得点に絡んだことも、PSGにとっては満足のいく内容だった。

 PSGはこの試合の4日前、ネイマールが軽い負傷で欠場したリーグ・アン7節、対モンペリエ戦で0-0のドローを喫し、今季初めて勝ち星を逃していた。

 レキップ紙は悔しげな表情で立ち尽くすカバーニの写真に『ネイマール無しだと勝利も無し』という痛烈な見出しをつけ、国内では“案の定”的な『ネイマール依存説』も囁かれ出していた。

 それだけにカバーニはこの強豪対決で、何がなんでもゴールを決めて自分の存在価値を証明したかったことだろうし、ネイマールも、チャンピオンズリーグで得点を決めることで、世界最高額プレーヤーとして迎えられた己の使命をまっとうした。

 終了のホイッスルが鳴ったあと、PSGの選手たちは一列に手をつないで両ゴール裏のファンにエールを返したが、カバーニとネイマールが隣同士でしっかり手をとりあっていた画像はきっと、世界中のメディアを駆け巡ることだろう。

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