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日本代表 7年前

原口元気、ハリルJでの定位置再奪取へ。武藤・乾の躍動で激化する左サイドのポジション争い

text by 元川悦子 photo by Getty Images

移籍騒動もあり、クラブでの状況も混沌

 ニュージーランド戦では自身の定位置であった左FWに武藤嘉紀(マインツ)が先発。後半25分からは乾貴士(エイバル)がプレーし、倉田の決勝弾をお膳立てするいい仕事を見せた。

「ヨッチ(武藤)の動きを見ていて面白かった。より裏というか、サイドにいながらポストプレーに入るような位置にいたりとか。あれを俺がやるのかどうかって言ったら別だけど、またちょっと違うやり方を見たなと思った」と原口はマインツで1トップに君臨する武藤の一挙手一投足に大きな刺激を受けたという。

 8月31日の最終予選大一番・オーストラリア戦(埼玉)で先発した乾に関しても「もともと見ていて楽しい選手。技術で言ったらホントに叶わない領域にある」と敬意を払っている。それぞれのよさを貪欲に吸収しつつ、いかに自身のパフォーマンスにつなげていく。それが、目下の原口に課せられた重要テーマと言っていい。

 2016年の最終予選前半戦で4試合連続ゴールを決めた時点では、一気に左FWのエースに駆け上がったと思われたが、今年に入ってから再び状況は混沌としている。クラブでレギュラーに定着している武藤、乾とは異なり、移籍騒動に巻き込まれた余波もあって原口がヘルタで思うように出番を得られていないのが最大の要因と見られる。

 本人もオーストラリア戦の後、「もう(移籍市場が)閉まったので、ヘルタで勝ち切るしかない。今年結果を出さないと代表でも出れない。それがハリル監督の考え方なんで」と危機感を募らせた。

 その苦境から抜け出すきっかけをバイエルン戦でつかみかけた矢先のケガということで、原口も苛立ちを覚えただろうが、焦らず地道にやるしかない。ハイチ戦で復活への力強い一歩を踏み出すことが肝心なのだ。

「この前の試合を見ていたら、右の裕也(久保=ヘント)が開きすぎてて、ちょっとうまくいってなかった。もうちょい工夫が必要だという話は裕也ともしました。自分は左サイドだと思ってるから、右サイドが機能しないと左サイドにチャンスボールが回ってこない。チームとして機能させるためにいろいろ考えなきゃいけない部分があると思いますけどね」と彼は左右のサイド、あるいは長友佑都(インテル)らとのタテ関係など、周囲とのコンビネーションを見直すことで、1年前のゴールラッシュの再現を見せたいと目論んでいるという。

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