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酒井宏樹も奮闘、マルセイユの意地。PSGとのクラシコ、悔しいドローも大きな収穫

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

マルセイユの勝ち越し弾にスタジアムは割れんばかりの歓声

勝ち越しゴールを決めたトバンに走り寄るマルセイユの選手たち
勝ち越しゴールを決めたトバンに走り寄るマルセイユの選手たち【写真:Getty Images】

 しかしその後、PSGがボールを占有する時間がどんどん増えていく。彼らがゲームをコントロールし出すと、案の定同点ゴールを奪われた。決めたのはネイマール。

 ラビオとのワンツーからのシュートだったが、ネイマールは最初のパスを出した後の動きがいつも本当に上手い。マルセイユの守備陣はラビオにはプレッシャーをかけたが、シュートを打てる位置にスルリと走り込んだネイマールはカバーしきれなかった。1-1のまま後半戦へ。

 前半にもムバッペと一対一の場面でボールを奪取するなど好守備を見せていた酒井は、カバーニからネイマールへのパスをインターセプトするなど引き続き奮闘。

 しかしその直後、ネイマールを倒して今季最初のイエローカードを頂戴するはめに。実際には酒井はボールにしか触っていなかった様子だが、なぜかネイマールは急所を押さえて悶絶していた。

 そしてこのあたりから、試合は徐々に荒れ模様に突入する。54分、ムバッペの進入をブロックした左SBアマビが、ペナルティエリア内に倒れ込んだ瞬間、軽くながらも腕でボールを操作。モニターははっきりとハンド行為に値する様子を映し出していたが、主審は目撃しておらずに試合は続行。マルセイユはPK献上を免れ、反対に猛抗議をしたムバッペにイエローカードが提示される理不尽な顛末に。

 ボールを触るたびに観客席からブーイングを浴びていたネイマールには、CKのためピッチ隅に歩み寄った瞬間、客席から物が投げつけられる。ネイマールはひとつ、またひとつと冷静に拾い出していたが、PSG勢は精神的にも追い詰められていた。

 それから間もなくしてマルセイユに歓喜の追加点。ミトログルに代わって後半66分に投入されたクリントンが、ラビオとの攻防戦の末にゴールラインぎりぎりの位置からゴール前めがけて会心のパス。抜群の反射神経でトバンが飛びついてゴールに押し込むと、ヴェロドロームは割れんばかりの歓声に包まれた。

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