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日本代表 6年前

ハリルJ、堅守ブラジル打倒へ。鍵になる「決め切る力」、共有すべきフィニッシュのイメージ【識者の眼】

text by 河治良幸 photo by Getty Images

日本が見せたい前線の効果的なコンビネーション

 原口がマッチアップする右SBのダニーロは厳しく縦を切ってきても、カットインにしぶとくつき切らずに中央へ自分のマークを受け渡す可能性が高い。そこで「ポジショニングであったり、(持ち場を)空けるタイミングだったり、相手との駆け引きでうまくやっていきたい」と語る大迫がCBを引きつけながらリターンパス、あるいはワイドに釣り出してスペースを生み出せれば、原口がゴール方向へ仕掛けやすくなる。

 もう1人のキーマンになりうるのが長澤和輝だ。「チームでやっているところと近いところ、1.5列目というか、攻撃のMFの部分が攻守で良さが出せるかなと思います」と語る長澤は、その希望通り、中盤の攻撃的なポジションでの起用が見込まれる。ただし、彼に求められるのはボランチと遜色ない守備のタスクと攻撃での素早く正確なプレーだ。

 守備では主に相手のアンカーを務めるカゼミーロにしつこくマークについて起点を作らせず、その周囲でのインターセプトを誘発する。攻撃に転じれば、カゼミーロを外してスペースに飛び出し、大迫や原口、あるいは右サイドの久保裕也と絡んでゴールへの迫力を出す役割だ。特に原口がボールを持つ局面で長澤がうまくサポートできれば、ブラジルのディフェンスを破れる可能性は高まる。

 ハリルホジッチ監督は全員が攻守に関わることを理想とするが、ブラジル戦では守備は全員でも、攻撃はカウンターから前の4、5人が効率よくゴールを狙う形が大半になるだろう。そこで大迫を起点に原口や長澤が仕掛けに絡み、逆サイドから久保が飛び込んで来るような流れをどれだけ作れるか。そこでブラジルの隙を突いて仕留め切れば得点の可能性が高まるし、できなければある種の“事故”頼みの攻撃になってしまう。

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