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WGの突破力が生むバルサとの違い。ザネ、ペップとの出会いで起きた化学反応【西部の目】

攻撃面で圧倒的な破壊力を見せる17/18シーズンのマンチェスター・シティ。ペップ・グアルディオラ監督が率いるチームということもあってバルセロナと類似している部分が少なくないが、フィニッシュへのプレーには相違点がある。その違いを生み出しているのがWGの突破力。メッシのいないシティにあって、レロイ・ザネは攻撃の切り札的存在になっている。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

シティとバルサの違い

レロイ・ザネ
マンチェスター・シティのFWレロイ・ザネ【写真:Getty Images】

 ある週末、プレミアリーグのマンチェスター・シティのゲームを見た。同じ週末、リーガ・エスパニョーラのバルセロナを見た。どちらも好調で首位を走っているチーム。どちらも軽快にパスを回し、トライアングルを作って攻め込んでいく。ただ、少しだけ違っていた。

 バルセロナのトライアングル形成が洗練されているのは今に始まったことではなく、それが洗練の極みに達したときの監督は現在シティの指揮官だから、シティが同じように攻めているのは不思議でも何でもない。非常に似た両チームなわけだが、トライアングル形成からフィニッシュへのプレーが違っていた。

 バルセロナは何度も攻め直していた。一方、シティはそのまま攻め崩せていた。両者の違いはスピードの差だった。バルセロナの両サイドより、シティのほうが明らかに速いのだ。敵を引き寄せて空いたサイドへボールを流すところまでは一緒でも、そこで止まってしまうバルサ、突破できてしまうシティ。シティにはラヒーム・スターリングとレロイ・ザネがいた。

 バルサにはリオネル・メッシがいるので、シティにはできない攻め方ができる。ただ、メッシ抜きでみればシティのほうが強力に見えた。

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