川崎F・中村憲剛、15年分の号泣。「やっぱり優勝はいいよね」。ようやく取れた胸のつかえ

川崎フロンターレが悲願の初タイトルを獲得した。首位・鹿島アントラーズを勝ち点2ポイント差で追う状況で迎えた、2日の明治安田生命J1リーグ最終節で大宮アルディージャを5‐0で一蹴。ジュビロ磐田と0‐0で引き分けたアントラーズと勝ち点72で並び、得失点差で上回る奇跡の逆転を成就させた。歓喜の瞬間が訪れた直後に等々力陸上競技場のピッチに突っ伏し、号泣したフロンターレひと筋15年のバンディエラ、MF中村憲剛(37)が胸中に抱いた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)

2017年12月03日(Sun)12時33分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「残り2、3分くらいからもう半泣き状態でした」

川昨フロンターレのMF中村憲剛
川昨フロンターレのMF中村憲剛【写真:Getty Images】

 8年前とは明らかに様子が異なっていた。川崎フロンターレが4点をリードしたまま突入した、5分間の後半アディショナルタイムも残りわずかとなった。勝利を確信した川崎フロンターレの大黒柱、37歳のMF中村憲剛は自軍のベンチへ視線を送っている。

 2009年12月5日にも、同じシチュエーションの中にいた。冷たい雨が降り続いた日立柏サッカー場のピッチ。柏レイソルに追い上げられながらも、前半のうちにあげた、自身のゴールを含めた3点のリードを必死に守り切り、勝利を収めた瞬間のベンチに違和感を覚えた。

「あのときはベンチで誰も喜んでいなかったからね」

 8年前は15時半に最終節がキックオフされた時点で、首位・鹿島アントラーズを勝ち点差2ポイントでフロンターレが追走していた。得失点差では後者がわずかにリード。つまりフロンターレが勝利を収め、アントラーズが引き分け以下ならば逆転できた。

 人事は尽くした。しかし、天命が訪れなかったことは、リザーブの選手たちの意気消沈した表情が如実に物語っていた。埼玉スタジアムで行われた浦和レッズ戦で、アントラーズは後半21分にあげた値千金のゴールを死守し、前人未踏の3連覇を達成していた。

 そして、2日に行われた明治安田生命J1リーグ最終節でも、歴史が繰り返された。14時のキックオフ時点で、首位・アントラーズと2位・フロンターレの勝ち点差は2ポイント。違っているのは、後者がホームの等々力陸上競技場で戦っていることだった。中村が続ける。

「向こうの得点経過はわからなかったけど、残り2、3分くらいからもう半泣き状態でした。ベンチがそわそわした状態だったので、この後に何が待っているのかを考えたらちょっと……」

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