佐藤寿人が名古屋で求めた喜び。5クラブを渡り歩いたベテランFWの献身【谷間の世代と呼ばれて】

1979年生まれ組が「黄金世代」と称される一方で、「谷間の世代」と呼ばれていた1981年世代。ワールドユース(現U-20W杯)や五輪ではグループステージ敗退を経験したが、2010年の南アフリカW杯では決勝トーナメントに進出した日本代表チームで軸となる世代となり、今なおJクラブで主力を担う選手たちもいる。この世代の中心的選手であり、名古屋グランパスのJ1昇格に貢献したFW佐藤寿人は、自身のサッカー人生について何を思っているのだろうか。(取材・文:元川悦子)

2017年12月04日(Mon)12時21分配信

シリーズ:「谷間の世代」と呼ばれて
text by 元川悦子 photo Getty Images
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「来年はJ1で風を吹かせましょう」

J1昇格プレーオフ優勝の盾を掲げる名古屋グランパスFW佐藤寿人
J1昇格プレーオフ優勝の盾を掲げる名古屋グランパスFW佐藤寿人【写真:Getty Images】

 名古屋グランパスの本拠地・豊田スタジアムで12月3日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝。3位・名古屋は4位・アビスパ福岡に引き分け以上で1年でのJ1復帰が決まるという条件下で大一番に挑んだ。

 背番号11をつけるキャプテン・佐藤寿人はもちろん先発。シモビッチの背後にガブリエル・シャビエルと陣取る形でスタートしたが、名古屋らしい華麗な攻撃サッカーがなかなか見せられない。佐藤寿人もチャンスらしいチャンスが巡ってこない中、献身性を前面に押し出してピッチを走り回った。

 後半8分に玉田圭司と交代してベンチに下がった後は、声を枯らしてチームメートを鼓舞し続ける。そうやって縁の下の力持ちになれるのも佐藤寿人の大きな強みである。そんな36歳のベテランFWの思いが結実し、名古屋は0-0でついにタイムアップの瞬間を迎える。背番号11も喜びを爆発させた。

「本来のサッカーには程遠かったけど、J1に戻りたいというみなさんの思いが最後まで僕らを走らせてくれた。ここにいるみなさんと来年はJ1で風を吹かせましょう」

 力強くこう語った佐藤の目は、いち早く、2018年シーズンに向いていた。

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 同期の阿部勇樹(浦和)、双子の兄・勇人(千葉)とともにジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)ユースで育ち、2000年のトップ昇格後は市原を皮切りにベガルタ仙台、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島、名古屋グランパスと5つのクラブで18年間のプロキャリアを歩んできた佐藤寿人。

 広島時代の2012、2013、2015年のJリーグ制覇、2012年のMVPと得点王のダブルタイトル獲得など、輝かしい栄光を手にしてきた彼は、言わずと知れた日本サッカー界の看板選手の1人である。

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