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32歳で日本代表初招集の山本脩斗、鹿島の魂示す「勝つために何をするか常に考えている」

text by 編集部 photo by Getty Images

山本脩斗
山本脩斗は鹿島アントラーズでの活躍が認められ日本代表初招集【写真:Getty Images】

 EAFF E-1サッカー選手権2017 決勝大会(E-1)に参加する日本代表が4日に集合し、都内で初練習を行った。

 32歳のDF山本脩斗は、今回が日本代表初招集。早稲田大学時代に北京オリンピックの日本代表候補になったことはあったが、これまでA代表には縁がなかった。学生時代はトップ下などでプレーする攻撃的な選手だったが、プロ入り後にコンバートされたサイドバックで攻守に安定感のあるスタイルを極めてきた。

「自分としてもいろいろなものを経験して、経験値という部分でも間違いなく若いときよりも上がっていると思うし、体力的な部分でも落ちているとは思っていない。いままでで一番、今シーズンに関しても自分で納得できる試合は多かった」

 J1準優勝に終わったとはいえ、所属する鹿島アントラーズでは攻守に不可欠な存在であり続けた。日本代表入りは「イメージはしていなかった」というが、充実の日々を過ごしている中でヴァイッド・ハリルホジッチ監督の目に止まった。

 2014年から在籍する鹿島ではJ1優勝、天皇杯優勝、ヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)優勝と、国内で争う主要タイトルを総なめにしてきた山本。「アントラーズでプレーする中で、チームのために、勝つために何をしなければいけないかというのを常に考えてやっていましたし、それがこういう結果につながった」と、自身の経験値と精神面での強さには手応えを感じている。

 それでも「年齢的には上ですけど、初めてなので、自分の特徴をアピールしていきたい」と、自分よりも若い選手たちと同様にハリルジャパンでの生き残りをかけて競争に身を置く覚悟だ。今回のE-1はロシアW杯前に国内組に与えられた最後のチャンスだけに、その思いは強い。

「(日本代表に)選ばれたことによって、(ロシアW杯へ出場する)チャンスはあると思う。ただ立場的にもまだまだ試されている部分もあると思うので、まずはこの大会を通して、まずチームの戦術を理解しながら、しっかり試合に出るチャンスを自分で掴み取りたい」

 山本が主戦場とする左サイドバックには、長友佑都(インテル)が不動の存在として君臨し、最近は車屋紳太郎(川崎フロンターレ)も台頭してきた。右サイドを本職としながら左サイドも遜色なく務められる酒井高徳(ハンブルガーSV)や、同じく両サイドに対応でき今回初招集された20歳の初瀬亮(ガンバ大阪)など活きのいい若手もいる。

 その中で貴重な経験を積み重ねてきたベテランの山本は、東アジアのライバルたちの戦いで「自分の持ち味を出し」、ハリルジャパンの競争の中で生き残っていく足がかりを掴めるだろうか。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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