川崎Fへ移籍の大久保嘉人と齋藤学、それぞれの決断理由。覚悟と決意が加える新たな力
悲願でもあったJ1王者の称号を背負った川崎フロンターレが21日、2018シーズンの新体制発表会見を川崎区内のカルッツかわさきで開催した。ファンやサポーターの大きな拍手と熱い声援で迎えられたのは、FC東京から加入したFW大久保嘉人(35)と横浜F・マリノスから加入したMF齋藤学(27)。1年で出戻る形となった前者と“禁断”の移籍だとして激しいバッシングを浴びている後者は、実力に覚悟と決意を添えて、追われる側となったフロンターレに新たな力を加える。(取材・文:藤江直人)
2018年01月22日(月)12時18分配信
「やっぱり好きなんだなと」(大久保嘉人)
どこかで聞いたことのあるフレーズだった。記憶をたどっていくと2013年1月に、川崎・高津区内の洗足学園音楽大学で開催された、川崎フロンターレの新体制発表会見に行き着く。
「違和感しかないっすね」
声の主はヴィッセル神戸から完全移籍で加入したFW大久保嘉人。初めて袖を通した、さわやかなサックスブルーを基調とするフロンターレのユニフォームが似合わないと自虐的に笑い飛ばした。
あれから5年。川崎区内のカルッツかわさきで21日に開催された2018シーズンの新体制発表会見で、約1800人のファンやサポーターから拍手と「お帰りなさい」という大声援がわきあがる。
FC東京から完全移籍で加入し、2年ぶりにフロンターレの一員として迎えられたJ1歴代の最多スコアラーは、自ら希望して背負った「4番」を見つめながら苦笑いを繰り返した。
「初めての番号ですからね。違和感しかないですけどね」
2013シーズンから4年間は「13番」を背負い、前人未踏の3年連続得点王を獲得。4年目の2016シーズンもチームメイトのFW小林悠と並ぶ、日本人最多の15ゴールをマークした。
4年間のトータルは実に82ゴール。通算のそれをJ1歴代最多となる171ゴールに伸ばし、さらなる成長を遂げるために移ったFC東京でプレーしながら、あらためて気づいたことがあった。
「去年ホントにちょっと移籍して、外から川崎フロンターレの試合をほぼ見ていましたけど、やっぱり好きなんだなと。見ていて、どこからでも点が取れそうだなと。自分もいましたけど、そのときはやっぱり本人にはわかりませんからね」