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原口元気、2部移籍にまつわる思惑。W杯出場への危機感、”見本市”経た売却目論むヘルタ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

移籍先はブレーメンではなくデュッセルドルフ

『ビルト』は、ダルダイ監督の原口についてのコメントを引用。

「ゲンキは毎日アピールして、トレーニングに良いパフォーマンスを持ち込んでいる。だが我々には、(マシュー・)レッキーや(アレクサンダー・)エスバインといった似たようなタイプの選手がいる。私はウインガーだけを試合のメンバーに召集することはできない」

 裏を返せば、「レッキーやエスバイン」よりも序列が下がった原口を「試合のメンバーに召集することはできない」、ということだろう。

 ウインターブレイクが明けて後半戦が始まっても、1月13日のVfBシュトゥットガルト戦、19日のボルシア・ドルトムント戦と、2戦連続でベンチ外。もはやヘルタに原口の居場所はなかった。そんな中で湧いたのが、ブレーメンが獲得を狙っている、という『ビルト』電子版の一報だったのだ。

 しかしその翌日、日本代表MFの獲得を発表したクラブは、かのブレーメンではなかった。23日、ヘルタ・ベルリンは原口との契約を延長し、同時にフォルトゥナ・デュッセルドルフへのレンタル移籍を発表。貸し出しの期間は18年6月30日までの半年間である。

 フォルトゥナも公式に獲得を発表し、新加入の日本人ウインガーの背番号は、1つ増えて25に決定した。なお、ヘルタが原口との契約をどのぐらい延長したのかは、公にはされていない。

 ヘルタのミヒャエル・プリーツSDは「我々はとても良い解決策を見つけた」とコメント。

「ゲンキは昇格候補チームで実戦経験を得て、我々は契約延長を通してW杯が終わった後の夏に全てのオプションを持つ」

 つまり、今回の原口のヘルタからフォルトゥナへのレンタル移籍は 「双方にとって意味のあるもの」となった。

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