DMMも参入、外国資本から見たベルギーリーグの魅力。投資を惹きつける独自制度の存在

昨年11月、日本企業のDMMがベルギー1部のシント・トロイデンを買収することが話題になった。そして冬の移籍市場では、U-20日本代表でも活躍した19歳のDF冨安健洋が加入している。しかし、外国資本がベルギーリーグに参入するのはこれが初めてではない。多くのクラブに海外から投資が集まる理由とは。そして外国資本がベルギーリーグのどこに魅力を感じて投資しているのだろうか。(取材・文:中田徹)

2018年02月02日(Fri)10時40分配信

text by 中田徹 photo Getty Images
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日本企業DMMがシント・トロイデンを買収

シント・トロイデン
ベルギー1部のシント・トロイデンを日本のDMMが買収。外国資本が入ったクラブは国内に数多くある【写真:Getty Images】

 今年1月16日、シント・トロイデンVV(以下、STVV)のニューイヤーレセプションで村中悠介会長は「素晴らしい歴史を持っているこのクラブを、もう一つ上のステージに持っていけるよう頑張りと思いますので、応援よろしくお願い致します」とスピーチした。

 1924年創設のSTVVはシント・トロイデンをホームタウンにする、比較的規模の小さなクラブだ。予算規模は1000万ユーロ(約14億円)を下回ると推定されている。2014年にリノベーションを終えたスタイエン・スタディオンは極めて斬新なもの。ゴール裏とホテルが一つの建物の中に収まっており、メインスタンド側には多くの商業施設が入っている。

 メインスタンド側の周囲を歩いただけでは、サッカーのスタジアムとは気づかないほどだ。しかし、バックスタンド側の通りには、サポーターが集まる年季の入ったバーがあり、試合後、ここの喧騒の中でビールを飲んでいるとベルギーでサッカーを観る幸せに浸ることが出来るのだ。
 
 もともと株式会社DMM.com(以下、DMM)はロケレンの買収を目論んでいたが交渉はまとまらず、2017年6月、シント・トロイデンに初めて来て、当時のSTVV会長ローラン・ドゥシャテレから株式を20%買った。

 この情報が漏れたとき、STVVは「すぐにDMMがクラブのオーナーになるのではく、しばらくお互いが良く知る時間を設けます」と発表した。こうして満を持してDMMは昨年11月、ドゥシャテレから彼が保有するクラブの株式を全て買い取ることになった。11月14日付けの『ヘット・ニーウスブラット』紙は、「DMMが2018年1月1日からSTVVのオーナーに」という記事でこう記している。

「2017年6月、DMMの視察団が初めてスタイエンを訪れ、ドゥシャテレの株式を20%買った。この時、すでにDMMはクラブを完全に買収する意向を持っていたが、その後も情報を集め続けて、今回残りの80%も買い取った。買収額が明らかにされることはない。

STVVの予算(注:同紙は550万ユーロ[約7億5000万円]と見積もっている)が増えること、そして日本からタレントが来ることは間違いない。スタイエン・スタディオン(注:一帯の商業施設、マンションも含む)はドゥシャテレが所有し続ける。日本人マネジメント陣は、STVVがスタイエン・スタディオンで試合をする時、賃料を払わなければならない」

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