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Jリーグ 6年前

ジョー獲得の「機動力はさすがでした」。名古屋 “トップ対談”、小西社長×風間監督

1年でのJ1復帰を果たした名古屋グランパスは元ブラジル代表FWジョーや、オーストラリア代表GKランゲラックの獲得など、積極的な補強を敢行した。風間監督のもと、独自のスタイルを見せるチームはどのような進化を目指しているのか。発売中の『フットボール批評issue19』(カンゼン)では、1月に名古屋グランパスの小西工己社長と風間八宏監督のスペシャル対談を実施。クラブとチームのトップによる「技術論」を中心に話が展開されている。一部を抜粋して掲載する。(取材・構成:西部謙司)

text by 西部謙司 photo by Editorial Staff, Getty Images

「他と比べることには全く意味がない」

名古屋グランパスの風間八宏監督
名古屋グランパスの風間八宏監督【写真:フットボール批評編集部】

――風間監督のチーム作りは独特ですが、小西社長からどう見えますか。

小西 独特というのは他と比べての相対的な話です。私にとって他と比べることには全く意味がないんです。正直、他のチームには全く興味がない(笑)。

 風間さんのサッカーをやってほしいだけで、一歩一歩でも進化していくこと。絶対的な変化をしていけば、相手は当然後ろに見えていくだけなので関係がない。もちろん他の試合も見ますけど、ウチのサッカーは面白いなと相対的にわかるだけで(笑)。

――サッカーはミスのスポーツともいわれます。ミスについてはどう思われますか?

小西 いろいろな見方がありますが、まず2回目はダメだということ。出会ったことのないものには当然ミスは発生します。そのときに手を打つわけですが、「処置」と「対策」の2つがあります。処置はモグラ叩きと同じで、例えばある場所に釘が出ていたためにケガをしたとするなら、バンドエイドを貼るのが処置です。

 一方、釘を抜いてしまう、あるいはそこを人が通らないようにするのが対策です。真因に対して手を打つ。サッカーの場合も対策が大事だと思います。それは訓練を超えて鍛錬を繰り返すことではないでしょうか。

風間 いつも「修正はない」と言っているのですが、ミスが起きたらそこだけを直すのではなくて、例えば失点したならボールを取られなければいいわけです。失点にフォーカスすると下がることになりますが、我々は前へ進みたいので。

 小西さんの今の話でもそうですが、本当に現場をやってきた人なので明確に言語化していますよね。分類もできている。だから話をしていても観点がすぐに揃うので面白いですよ。

 処置と対策なら、サッカーの場合は処置をしないという考え方もできるわけです。応急処置はやろうと思えばできるけれども、あえて血を流させておいたほうがいいときもある。ミスで命の危険が伴うわけではないですから。

 第一には自分たちの大切なことを突き詰めていくことです。面白いものを創る。周囲を気にせず、自分たちが面白いと思うものを創ればいいと考えています。

 何が面白いかは千差万別ですが、少なくとも我々は専門家である以上、自分たちが面白いと思うものを自信をもって創り出さなければいけないですよね。小西さんは我々の商品が何かを理解してくれていますから、我々はそれを具現化する。すごくシンプルです。

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