“エリートの呪縛”を解いた宇佐美貴史。W杯で輝くために…手に入れた新たな顔【日本代表当落線上の男たち】

2018年04月16日(Mon)11時29分配信

シリーズ:日本代表当落線上の男たち
text by 元川悦子 photo Getty Images
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「僕ら攻撃陣は個の打開力を高めないといけない」(宇佐美)

宇佐美貴史
フォルトゥナ・デュッセルドルフで好調を維持する宇佐美貴史。「個の力」というテーマに残り2ヶ月でどう向き合うか【写真:Getty Images】

 同じ左FWには無尽蔵の走りで献身的にチームを支えるクラブの同僚・原口元気(デュッセルドルフ)がいるためハードルは高いが、原口に匹敵する守備やデュエルの意識を押し出しつつ、宇佐美らしいフィニッシュの精度を発揮することができれば、希望は見えてくる。

「元気君が1月末に移籍してきたことで、いろんな化学変化が生まれた。2人で一緒にやれることはメリットが大きい」と宇佐美自身も言うように、原口からいい影響を受けていることを認めている。近くにハードワークの見本とも言うべき選手がいるのだから、自分がやらなければならないことは自ずから理解できるはず。この恵まれた環境を最大限活用することも、宇佐美のロシア行きの大きなカギと言っていいだろう。

「僕ら攻撃陣は個の打開力を高めないといけない。そこに尽きると思います。ウクライナ戦の2失点目なんか、相手左サイドのシャルケの選手(エフゲン・コノプリャンカ)が2人をちぎってチャンスを決めている。個で相手をはがしていく選手の重要性を改めて感じました」とウクライナ戦後の宇佐美は神妙な面持ちで話していたが、ハードワークをしたうえで、コノプリャンカのようにドリブルで一気にゴール前まで持ち込む仕事を彼がしてくれれば、日本代表としても万々歳だ。

「宇佐美には特別な才能がある」とハリルホジッチ監督は言い続け、秘蔵っ子として扱ってくれたが、かつてガンバ大阪で重用してくれた恩師・西野監督も同じように才能を高く評価してくれているはず。そんな両指揮官のためにも、彼はこの2ヶ月で劇的な変貌を遂げなければならない。さしあたって、7得点2アシストというデュッセルドルフでの数字を伸ばすことは至上命題。二桁得点は必須と言っていいだろう。

 2月から3月にかけてはクラブで4試合連続ゴールという目覚ましい活躍を見せたものの、代表明けは不発。それでも15日のハイデンハイム戦には左サイドでフル出場し、彼らしい高度な技術が凝縮された今季7ゴール目をゲットした。この一撃は西野監督にもいいアピールになったことだろう。この調子で頼もしい存在になり、ロシアの舞台に立つ宇佐美貴史の姿を見てみたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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